研究課題/領域番号 |
60470142
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
石川 喜一 山形大, 医学部, 教授 (40018312)
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研究分担者 |
堤 玲子 山形大学, 医学部, 助手 (20005664)
堤 賢一 山形大学, 医学部, 助手 (40113964)
日高 操 山形大学, 医学部, 助手 (00142224)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | アルドラーゼ8遺伝子 / 遺伝子発現制御 / DNase I高感受性領域 / DNAメチレーション |
研究概要 |
アルドラーゼB遺伝子の発現の異なる組織や細胞を用いて、同遺伝子の高次構造(クロマチン構造)、DNAメチレーションと発現の相関について調べ、以下のような結果を得た。(1)DNase I高感受性領域の検討から転写開始点上流0.3Kb付近の特異的構造の構築が転写活性化に必要であることが示された。すなわち、同遺伝子が高度に発現している肝においては、同遺伝子は5'側上流に2個所、3'側末端におよび下流に2個所、計4個所にDNase I高感受性領域をもつようなクロマチン構造をとっていたが、腎や分化型肝癌等、同遺伝子を発現している他の組織や細胞でも、共通して転写開始点上流0.3KbのDNase I高感受性領域の存在が認められたことによる。(2)B遺伝子DNAのメチル化程度を、同遺伝子の発現抑制,非抑制の組織や細胞で検討したところ、同遺伝子およびその近傍のHpa【II】とHha【I】認識部位のシトシンのメチル化の程度は、これらの制限酵素の認識部位15個所のうち、同遺伝子3'側半分と3'近傍にある部位は、その発現の抑制、非抑制にかかわらずすべてが強くメチル化されていた。これに反し、同遺伝子の5'側半分と5'近傍に存在する部位では同遺伝子の発現とDNAメチル化との間に相関性がみられた。すなわち、転写開始より約0.13Kb上流でCCAAT boxに続くHha Iサイトとイントロン1の中にあるいくつかのHpa【II】サイトでは、同遺伝子の発現が抑制されている脳やAH130腹水肝癌では強くメチル化されているのに反し、発現が非抑制の肝では底メチル化であった。この結果は同遺伝子の5'側部分と5'側近傍の特定部位のシトシンのメチル化が、その発現抑制と関係あることを示唆していた。転写開始点上流0.15Kb付近にはGREがあり、肝ではそれを認識する35KD蛋白が存在することが最近明らかとなった。これが正の制御因子がどうか、今後同定してゆかねばならない。
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