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1987 年度 研究成果報告書概要

鳥類の胚期生殖腺ホルモンー-ミュラー管の分化における役割

研究課題

研究課題/領域番号 60480023
研究種目

一般研究(B)

配分区分補助金
研究分野 動物形態・分類学
研究機関埼玉大学

研究代表者

能村 哲郎  埼玉大学, 理学部, 教授 (40072970)

研究期間 (年度) 1985 – 1987
キーワード鳥胚 / 生殖腺 / ミュラー管 / 舌下神経核 / 鳴管 / エストラジオール / テストステロン / ミュラー管抑制物質
研究概要

3種類の家禽(ニワトリ, ウズラ, アヒル)を用いて, 鳥類の胚期生殖腺ホルモン(性ステロイドとミュラー管抑制物質MIS)の性質と機能についてミュラー管(M管)の分化における役割う中心に研究をおこない, 次の成果と知見を得た.
(1)胚期の血中の性ステロイドホルモン:雌ではエストラジオール, 雄ではテストステロンが主で, 共に胚期の1/2頃に検出可能になり, およそ3/4の時期に最大値に達した後, 急速に減少する.
(2)胚期生殖腺のMIS活性:精巣はウズラでは6〜10日胚, ニワトリでは6〜12胚, アヒルでは9〜18日胚の期間に強い抑制活性を示した後, 徐々に低下する. 雄胚のM管はウズラでは8〜10日, ニワトリでは9〜12日, アヒルでは10〜13日の期間に退化するが, 雌胚ではM管がMIS感受性を失った発生後期に, 左卵巣は中程度の抑制活性を示す. 右卵巣の活性はウズラとニワトリでは検出されないが, アヒルでは認められる.
(3)ミュラー管のMIS感応期:M管がMISに感受性を示す期間は短かく, 器官培養実験の結果から, M管のMIS感応期は, ウズラでは62/1〜9日胚, ニワトリでは8〜9日胚, アヒルでは9〜11日胚と推定される. このM管のMIS感受性は, エストロゲン処理により低下する.
(4)MISの循環ホルモン効果:ウズラ及びニワトリで, 雌胚の漿尿膜上に移植した胚精巣により宿主M管が退縮し, また, 雄胚の漿尿膜上に移植した雌M管も退縮することから, 血中に有効量のMISが存在し, 循環ホルモンとして作用可能なことが示唆された.
(5)M管とMISの特異性:鳥類のMISは哺乳類のM管を退縮させるが, 鳥類のM管は哺乳類のMISでは退縮を示さない.
(6)発生器官及び発生中枢の性的二型化:アヒルの鳴管及び延髄舌下神経核は, 胚期に卵巣エストロゲンにより発育を抑制され, それにより雌雄差が生じ, 性的二型化することが示唆された.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ohuchi, A. & Noumura, T.: Proceedings of the Japan Academy. 62B. 257-260 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Takahashi, M. M.;Noumura, T.: Developmental Biology. 122. 417-422 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Nomura, T.;Matsumoto, E.;Takahashi, M.eds. B. Lofts & W. N. Holmes: "Current Trends in Comparatived Endocrinology:On the development of sexual dimorphism in the duck syrinx and estradiol binding" Hong Kong University Press, Hong Kong., 601-602 (1985)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Noumura, T.;Ohuchi, A.eds. E. Ohnishi, Y. Nagahama, & H. Ishizaki: "Proceedigs of the First Congress of the Asia and Oceania Society for Comparative Endorinology:Mullerian inhibiting activity in the chick and quail embroyos" Nagoya University Corporation, Nagoya, 214-215 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Ohuchi,A.& Noumura,T.: "Mullerian-inhibiting activity in circulation of chick embryo." Proceedings of the Japan Academy. 62 b. 257-260 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Takahashi,M.M. & Noumura,T.: "Sexually dimorphic and laterally asymmetric development of the embryonic duck syrinx: Effect of estrogen on vitro call proliferation and Chondrogenesis." Developmental Biology. 122. 417-422 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1989-03-30  

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