研究概要 |
1)下水処理場での回転円板法中型装置による無加温メタン発酵は20℃前後で、HRT12時間におけるTOC除去率は80〜85%であり、10℃では60%の除去率である。 2)円板直径15cmの小型実験装置5軸を用いて、円板表面平滑の塩ビおよびセラミック円板細孔径(50,100,200,400μm)の5種類を用い、人工下水(TOC:110〜65mg/l)で除去率の比較を行ない、セラミック孔径200,400μmが最も効率が良く、中温でHRT24時間で、95%,12時間で、85%6時間で、80%,3時間で65%の除去率が得られる。物質移動係数(Kd)は塩ビ板で9.82×【10^(-3)】,セラミック板で2.50×【10^(-3)】m/hrで約2.5倍の効率がある。更に、直列5段で処理すると、原水TOC120〜80mg/lが中温でHRT3時間で90%の除去率が得られる。 3)回転円板への物質移動を促進させる為の理論解を提示し、実験によって確かめた。すなわち、外部渦による物質移動の促進,移流による物質移動の促進を明らかにした。 4)回転円板法による硝化、脱窒同時反応の実験を都市下水を用いて行ない、(1)円板付着生物膜厚は有機物負荷4.3g/【m^2】dで640μm、2.1g/【m^2】dで380μmである。(2)大気圧状態で低水温時に20〜40%の脱窒率が得られる。(3)人工基質による実験結果と同様に、気相酸素分圧の減少と共に硝化率が低下し、脱窒率が増加し、都市下水の場合にも気相酸素分圧をコントロールすることにより脱窒率が高められる。
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