研究課題/領域番号 |
60480060
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 良 名大, 農学部, 教授 (70023398)
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研究分担者 |
松田 幹 名古屋大学, 農学部, 助手 (20144131)
早川 茂 名古屋大学, 農学部, 助手 (50126893)
渡邊 乾二 名古屋大学, 農学部, 助教授 (70023447)
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キーワード | 卵黄低密度リポ蛋白質 / 卵アルブミン / 卵白リゾチーム / オボムコイド / 乳化性 / 抗原性 / 加熱ゲル形成性 |
研究概要 |
本年度の研究の概要を示すと次の通りである。 1)卵黄低密度リポ蛋白質(LDL)の加工的機能:LDLを種々の蛋白分解酵素によって処理すると、その乳化性は蛋白分解酵素の種類によらず、分解の程度に応じて著しく減少した。しかし、同じ蛋白濃度で比較すると、酵素処理を施したLDLの乳化性は、これまでに乳化性が高いといわれている牛血清アルブミンに比べてもはるかに高かった。2)卵アルブミンの酵素分解物の抗原性:卵アルブミンをin vitroで、ペプシン,パンクレアチンで処理すると、分子量24000のフラグメントとそれ以下の低分子物質に分解されたが、このうち分子量24000のフラグメントに未処理蛋白と同様な抗原性の存在が認められた。同様に、ラットの胃内に卵アルブミンを強制投与した場合にも抗原性を有する24000のフラグメントの存在が確認された。3)卵白リゾチームの加熱ゲル形成性:卵白リゾチームを加熱すると、共存する食塩および還元剤濃度の僅かな相違により、透明度およびゲル強度の異るゲルを生ずることを見出したので、これらのゲルの性質の相違について実験を行った。その結果、透明ゲルでは水素結合とS-S結合が、不透明ゲルでは疎水的相互作用が主な分子間力として関与しており、ゲル強度の高い半透明ゲルではこれらの分子間力がすべてバランスよく関与しているものと考えられた。4)オボムコイドの抗原構造:オボムコイドの抗原性における糖鎖部分の寄与を明らかにするために、アルバートらの方法に従い、オボムコイドの結合糖鎖を化学的に切断除去した。本方法により、オボムコイドに存在する中性鎖の約75%を除去することが出来、その抗原性については、ウサギ抗オボムコイド抗体については未処理オボムコイドと大差は認められなかった。しかし、ヒト抗体に対しては脱糖処理により明らかに反応性が低下した。
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