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1986 年度 実績報告書

魚類における高度不飽和脂肪酸からプロスタグランジンへの代謝とその生理活性

研究課題

研究課題/領域番号 60480069
研究機関広島大学

研究代表者

鹿山 光  広島大, 生物生産学部, 教授 (90034446)

研究分担者 飯島 憲章  広島大学, 生物生産学部, 助手 (90136143)
キーワードニジマス / 血液 / 栓球 / アラキドン酸(AA) / エイコサペンタエン酸(EPA) / ドコサヘキサエン酸(DHA) / トロンボキサン(TX) / プロスタグランジン(PG)
研究概要

陸界と水界における動物の必須脂肪酸として、前者では主としてアラキドン酸(AA)が、また後者ではエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)がより重要な役割を果たしている。それら高度不飽和脂肪酸から変換されて生ずるプロスタグランジン(PG)について、ニジマスの多栓球血漿の分離洗浄栓球の調整法を検討し、[1-【^(14)C】]AA,[1-【^(14)C】]EPAおよび[1-【^(14)C】]DHAを基質としてニジマス洗浄栓球によるPG合成能を検討するとともに血小板凝集測定装置を用いてニジマス栓球の凝集測定を行い、ヒト,コイの血液凝固と比較検討した。
ヒト洗浄血小板と[1-【^(14)C】]AAをインキュベートすると主にTX【B_2】が合成されるが、[1-【^(14)C】]EPAからは少しく、[1-【^(14)C】]DHAからは殆んど生成されなかった。ニジマス栓球画分ではヒト血小板同様にAAから主にTX【B_2】が合成され、さらにEPAからもわずかではあるが明瞭にTX【B_2】が合成されたが、DHAからのPG合成は殆んど認められなかった。昨年度のコイ栓球画分を用いた実験ではAAよりPG【E_2】、PG【F_(2x)】およびPG【D_2】の合成を認め、TX【B_3】への変換は殆んど認められず、EPAおよびDHAからのPG合成も殆んど認められなかった。
したがって、ニジマス栓球画分においては、ヒト血小板同様にAAから主にTX【B_2】を合成するが、コイではAAからTX【B_2】への変換は殆んど認められず、栓球画分におけるPG合成は魚種によって異なることが示唆される。全血凝集能測定装置によるニジマス栓球の凝集測定は、ニジマス背大動脈より採取した全血にコラーゲン,AA,EPAおよびDHAを添加し、インピーダンス法により栓球の凝集能を測定した。コラーゲン添加により二次凝集を認めるとともに、AA添加においてもかなり強固な二次凝集が認められ、EPA,DHA添加では凝集が認められなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Mitsu Kayama: Bull Japan Soc Sci Fish. 51(11). 1911 (1985)

  • [文献書誌] Mitsu Kayama: Bull Japan Soc Sci Fish. 52(5). 925 (1986)

  • [文献書誌] 鹿山光: "水産学シリーズ57"水産動物の筋肉脂質"(鹿山光編)13.魚類の高度不飽和酸とプロスタグランジン" 恒星社厚生閣, 149-161 (1985)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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