研究課題/領域番号 |
60480070
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
畑 幸彦 高知大, 農学部, 教授 (10036692)
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研究分担者 |
三好 英夫 高知大学, 海洋生物教育研究センター, 教授 (50036711)
宗景 志浩 高知大学, 農学部, 講師 (50036745)
西島 敏隆 高知大学, 農学部, 助教授 (60036738)
木村 晴保 高知大学, 農学部, 教授 (00145111)
竹田 正彦 高知大学, 農学部, 教授 (60036689)
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キーワード | ハマチ養殖漁場 / 老化過程 / 老化度指数 / 有機物分解率 / 窒素蓄積率 / ボックスモデル / 海水交換量 / 放養密度 |
研究概要 |
浦之内湾及び野見湾のハマチ養殖場において、有機物の負荷-沈降-堆積-分解過程を調査し、有機物の分解率と残留率を環境面から算出し、漁場条件によって異なるが窒素の約25%、リンの約15%が雑留・蓄積されるという、昨年度と同様の結果を得た。また、これらの内湾の水・庇土中における窒素収支を、窒素固定及び脱窒の活性を含めて調査した。更に、漁場老化を水中の溶存酸素量、無機窒素量、無機リン量、CODについて十数年間の値を比較して検討したが、一定の傾向的変化は見られなかったが、庇土中のCOD及び硫化物量、殊に後者には汚染の蓄積と老化の進行が明らかにみられ、老化度を硫化物の0.2mgS/gを基準として比較算定すると、老化度指数は野見湾で3、浦之内湾で16の値を得た。 一方、宿毛湾のモデル生簀で飼育試験されたハマチについて、魚体成分と飼料の窒素量から環境への負荷率を推算したところ、生餌区の78.3%に比べてモイストペレット(MP)区のそれは76.5%と僅かながら低かった。また、炭水化物源の異なる各種配合飼料によってハマチ稚魚を水槽飼育したところ、α-でん粉加飼料区で60%という最低の窒素負荷率が得られた。 浦之内湾を対象に、ボックスモデルによって湾口での1測点での水温と湾内水位の連続観測、湾内・外の水温・塩分の定期観測から海水交換量を推算する方法を考案した。そして、湾内外の水の負荷物質濃度を定期観測して湾への負荷量を求める式を完成し、これによって負荷量変化に伴う湾内外の物質濃度を予測することが可能なことを明らかにした。 以上を総合して、湾内における老化度を進行させないで飼育できる適正なハマチ放養密度及び給餌率算定の計算式を検討した。
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