研究課題/領域番号 |
60480082
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
尾川 昭三 明大, 農学部, 教授 (00061797)
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研究分担者 |
友田 仁 明治大学, 農学部, 教授 (40061676)
加納 康彦 明治大学, 農学部, 教授 (80011849)
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キーワード | 顕微操作 / 顕微手術 / 胚の顕微操作 / 顕微操作のコンピューター制御 / 顕微操作の自動化 |
研究概要 |
受精卵および初期胚に対して複雑な顕微手術を正確に行い得るようにするため、マイクロマニピュレークおよびコンピューターのソフトに改良を加えた。3次元油圧MPの動作を3個の電動パルスモータ(PM)で行い得るシステムを用いた。基本的な顕微手術は1本のミクロツール(MT)により行ったが、更にMP作動部のX軸に3本のMTを接続し、その中の2本は各々に取付けたPMにより、X軸方向とY軸方向の独立した動きができるようにした。この2本のMTは計5個のPMにより2重の駆動支配を受ける。フレームメモリーの活用による画像処理を適用して、卵および胚の位置の認識が可能となった。従来使用しているソフトでは、顕微TV画面のX,Y軸の卵および胚の映像に対して、Super ImposerでMTの先端の出発点および目標到達点を表示し、操作が行われる。これに対し画像処理プログラム(PG)では、操作開始と同時に、MTの先端が出発点より、目標点を設定せずとも自動的に試料から100μm離れた位置に移動し、その点から試料に対しての顕微操作が行われる様PGがなされた。 いずれの顕微操作においても、Gap sensorによりMT先端の移動は正確に制御され、またPressure Sensorにより試料の安定した保定が行われ得た。 (1)MT先端の動作が正確に制御される結果、受精卵雄性前核内へのMicropipeiteの挿入、MicroneedleのZ軸動作による牛桑実胚からの退化萎縮部分の切断除去などの顕微手術が殆んどの例で安定かつ確実に行われた。(2)3本のMTによる複雑な顕微操作の1例として、空透明帯の作製を行った結果、10例中8例でこの操作が成功した。(3)画像処理PGによりマウス桑実胚において、Glassneedleによる上方からの圧断を行った。その結果、8例中6例で操作が円滑に進行した。 これらの結果は、用いたPC制御のMPシステムが発生工学的手法に十分利用され得るPotentialityを示唆している。
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