• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1986 年度 実績報告書

海馬錐体細胞のグルタミン酸感受性単一イオンチャンネル電流の解析

研究課題

研究課題/領域番号 60480114
研究機関群馬大学

研究代表者

小沢 瀞司  群大, 医学部, 教授 (40049044)

キーワードグルタミン酸受容体 / 培養海馬錐体細胞 / パッチクランプ法 / 単一チャンネル電流
研究概要

本研究の目的は、培養海馬錐体細胞を対象として、グルタミン酸受容体の三つの亜型(NMDA型,カイニン酸型,キスカル酸型)を賦活した場合に活性化されるイオンチャンネルの動態を単一チャンネルレベルで解析し、中枢神経細胞のグルタミン酸受容体チャンネルの活動様式を明らかにすることである。実験は胎生17〜20日目のラット胎児から海馬錐体細胞を初代培養し、パッチクランプ法を適用して行った。主な結果は次の通りである。1.ラット海馬錐体細胞は培養後約7日目からグルタミン酸感受性を示し、以後日数の経過とともに感受性は漸増した。グルタミン酸感受性を示す細胞は、NMDA,カイニン酸,キスカル酸に応答した。2.NMDA,カイニン酸,キスカル酸によって誘起される電流の反転電位はほぼ等しく、これらの薬物によって活性化されるイオンチャンネルは類似の陽イオン選択性をもつことが結論された。3.NMDAによる膜コンダクタンス増加はマグネシウムイオン(【Mg^(2+)】)存在下で顕著な膜電位依存性を示し、-40mVより過分極側でコンダクタンス増加量が漸減し、-90mVではNMDAによるコンダクタンス増加はほとんど観察されなかった。このような【Mg^(2+)】存在下でのコンダクタンス増加の膜電位依存性はカイニン酸,キスカル酸の場合は観察されなかったので、これはNMDAチャンネルのもつ特異な性質の一つであると結論された。4.【Mg^(2+)】欠如液中では、NMDAは顕著に電流雑音を増加させた。これらの電流雑音の解析と単一チャンネル電流の記録から、【Mg^(2+)】欠如液中でのNMDAチャンネルの単一チャンネルコンダクタンスは40pSであった。この40pSのチャンネルはグルタミン酸によっても活性化された。一方カイニン酸型,キスカル酸型チャンネルの単一チャンネルコンダクタンスは、電流雑音の分散から判定するとNMDA型のそれの1/3以下であると推定された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Seiji Ozawa et al.: Brain Research.

  • [文献書誌] 小澤瀞司,竹中敏文,平本幸男 編: "中枢神経細胞のパッチクランプ In:実験生物学講座9.神経生物学" 丸善,東京, 12 (1986)

URL: 

公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi