研究課題/領域番号 |
60480118
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研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
研究代表者 |
川合 述史 神経科学総研, その他, 研究員 (00073065)
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研究分担者 |
三輪 昭子 東京都神経科学総合研究所, 病態生理, 主事 (60142155)
吉岡 正則 摂南大学, 薬学部, 教授 (30012652)
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キーワード | グルタミン酸 / シナプス伝達 / グルタミン酸レセプター / クモ毒 / JSTX海馬 / スライス標本 / NMA |
研究概要 |
本研究代表者らがジヨロウグモ毒腺中に見い出したグルタメイト(セプタ一阻害物質(Joro Spider toxin JSTX)は発見以後4年を越す精製作業の結果、東京大学薬学部中嶋研究室の協力を得てその構造を決定した(Ayamaki et al 1986)。クモ毒素は数種の有効成分から成り、何れも2,4-dihydroxy-phenylacetyl-asparaginyl-cadaverinを共通骨格とすることが明らかになった。この構造に基づいて人工合成物の作成を進めている。 JSTXを用いて、中枢神経細胞に対する作用を検討した。モルモット海馬のスライス標本を作成し、CA1野の錐体細胞より細胞内記録を行い、入力線維の刺激によって生ずるシナプス後電位はJSTXにより庶断された。多管電極を用い、グルタミン酸やそのアゴニストを電気泳動的に錐体細胞の樹状突起に与え、生ずる脱分極電位に対するJSTXの効果を検討した。JSTXはグルタミン酸やキスカル酸による脱分極を強力に抑制したが、アスパラギン酸やN-メチル-Dアスパラギン酸(NMA)に対する作用は弱かった。NMA型エセプターに対する特抗物質であるADVなどの効果との比較を行い、海馬CAl野の錐体細胞に対する入力線維はグルタミン酸を伝達物質としており、レセプターは非NMA型であることを明らかにした(Saito et al 1986)。
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