研究課題/領域番号 |
60480138
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
水上 茂樹 九大, 医学部, 教授 (90037325)
|
研究分担者 |
住本 英樹 九州大学, 医学部, 助手 (30179303)
日野 幸伸 九州大学, 医学部, 助手 (40112338)
竹重 公一朗 九州大学, 医学部, 助教授 (10037450)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
キーワード | 食作用 / 細胞内pH変化 / NADPHオキシダーゼ / NADPH誘導体 / 超酸化物 / チトクローム / ユビキノン / モノクローン抗体 |
研究概要 |
1.細胞内pHの解析 遊走ペプチドFMLPなどで刺激されたヒト好中球の食作用様変化にともなう細胞内pHの変化を蛍光変化によって測定し、解析した。FMLPによる初期の細胞内酸性化およびそれに続く塩基性化はともに細胞外のカルシウムに依存し、カルシウムイオノフォアA23187によっても同様の変化が観察された。FMLPによる細胞内pHの変化はジフテリア毒素によっては影響されなかったが、百日咳菌毒素によって阻害され、細胞内pH変化にGTP結合タンパク質の関与する可能性がしめされた。 2.NADPHオキシダーゼの構成成分の機能的解析 食細胞特異的NADPHオキシダーゼはフラビンおよびb型チトクロームを含む複合体と考えられており、ユビキノン両者のあいだの電子伝達をしている可能性が示唆されていた。我々はユビキノン-1のNADPHオキシダーゼによる還元反応を解析し、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)によって阻害されないのはユビキノンが超酸化物により急速に還元されるためであり、ユビキノンが電子伝達成分である根拠はないことを示した。他の色素についても同様の結果を得た。 3.NADPHオキシダーゼの精製 本酵素(系)は量的に少なく膜成分のために、精製が困難であり、種々の精製方法の検討を続行している。精製方法の開発のために、好中球b型チトクロームにたいするモノクローン抗体の調製ならびにNADPHのジアルデヒド誘導体による酵素の標識法の開発を行い、成功した。この技術を慢性肉芽腫症患者白血球に用いて、この白血球はb型チトクロームを欠損するが、NADPHオキシダーゼのNADPH結合部位の存在することを示した。またモノクローン抗体を用いて正常ヒト白血球におけるb型チトクロームの細胞内局在を、免疫電子顕微鏡法によって明らかにした。
|