研究課題/領域番号 |
60480144
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
春日 孟 医科歯科大, 医学部, 教授 (40114748)
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研究分担者 |
上原 敏敬 埼玉県がんセンター, 病理部, 医長 (40143557)
中村 卓郎 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (00180373)
北川 昌伸 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10177834)
松原 修 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (40107248)
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キーワード | 日本 / 黒色腫 / 組織発生 / 真皮内メラノサイト / 真皮内母斑 / AFP / CEA / 粘膜 |
研究概要 |
1.日本剖検輯報例1233例の悪性黒色腫の解析から、本邦の黒色腫は0.07%(1958)→0.24%(1985)と増加、0-94の間に発生、多発年令は60-64才。男女比は0.85。皮膚由来黒色腫50.5%[原発部位不明例12.2%を含む]、その他11.0%、由来無記載例5.0%。原発部位別では鼻口腔粘膜由来17.3%、掌蹠18.5%、脳脊髄膜8.2%が特記される。 2.自験例の黒色腫・良性色素性皮膚病変の解析: イ.全黒色腫の32.3%が粘膜由来、接合性変化は粘膜由来例で20%、皮膚由来例で64.2%であった。 ロ.正常鼻粘膜99例を用いた粘膜領域のメラノサイトの検索で、その陽性率は21.2%、子宮腟部470例の検索では10%で、その組織内分布は間質に限局し、接合性変化は前者で9.5%、後者で0%であった。 ハ.DMBA+TPA塗布によるマウス黒色腫の発生率は100%で、その発生母地は毛幹周囲メラノサイト網であった。ヒト真皮61例の検索で網状分布するメラノサイトの存在を2例(3%)に確認できた。 ニ.真皮内母斑例における表皮内活性化メラノサイトの発現は15.2%(7/46例)であった。母斑の組織型は類上皮細胞型が62.5%であり、神経細胞型の比は1.7であった。 3.若年者黒色腫(29才以下)の解析では、真皮内母斑由来の黒色腫は4.3%であり、成人例では0.5%であった。細胞密度を画像解析された真皮内母斑の9.3%は異常増殖例であった。更に炎症徴候、異常増殖の為、摘除された真皮内母斑の66.1%(39/59例)は若年者症例であった。 4.AFP、CEAの免疫酵素抗体組織化学的検討の結果、真皮内母斑例では、それぞれ、100%、40%で、非母斑由来例の30%、10%に比し、有意に高かった。
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