研究課題/領域番号 |
60480202
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岸本 進 阪大, 医学部, 教授 (60028420)
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研究分担者 |
吉崎 和幸 大阪大学, 医学部, 助手 (90144485)
五十嵐 敢 大阪大学, 医学部, 助手 (80151257)
根来 茂 大阪大学, 医学部, 助手 (30172753)
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キーワード | 加齢 / 老化 / 免疫機能の変化 / T細胞 / T細胞サブセット / 分裂能 / イオノマイシン / PMA / IL-2レセプター / 免疫ロゼット法 / Tac抗原 |
研究概要 |
T細胞のマイトゲンや抗原に対する分裂増殖能が、老齢者において低下していることが報告されていたが、この機序を解析するために研究を行い、以下と新知見を得た。T細胞上のIL-2レセプターの発現量を、抗Tac抗体を用いフローサイトメトリーで測定すると、老齢者では有意に減少していた。また、抗Tac抗体を結合したT細胞を、抗マウスIgG-ORBC(ヰ赤血球)とのロゼット形成法で分離することにより、IL-2レセプター保有細胞を分取し、IL-2に対する分裂増殖能を見ると、これも老齢者で低下していた。さらに、放射性ヨードでラベルしたIL-2を用いて、高親和性IL-2レセプターと低親和性IL-2レセプターの数を測定すると、老齢者のT細胞では、高親和性レセプターも低親和性レセプターもその数は減少していたが、特に高親和性レセプターの減少が著しかった。次に老齢者では、相対的に非特異的ヘルパーT細胞の機能の亢進があることが、末梢血単核球をPWMで刺激して抗体産生を測定する系などで示されていたが、これにT8(CD8)陽性T細胞の分裂能の低下が関与していると考えられる新知見を得た。即ち、マクロファージの混入を0.1%以下にして、T4(CD4)陽性T細胞やT8陽性T細胞に分離すると、もはやPHAなどのマイトゲンや抗原で刺激しても、そのT細胞サブセットは分裂増殖しないので、分裂増殖能を比較できなかったが、イオノマイシンとPMA(ph or bo1 wgristic acid)の至適濃度で刺激することにより、これが可能となり前述のように、T8陽性T細胞の分裂増殖能が、老齢者において低下していることを明らかにした。
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