研究課題/領域番号 |
60480235
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
島本 和明 札幌医大, 医学部, 助教授 (40136940)
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研究分担者 |
吉田 茂夫 札幌医科大学, 内科学第2講座, 講師 (30136965)
田中 繁道 札幌医科大学, 内科学第2講座, 講師 (50163522)
東海林 哲郎 札幌医科大学, 救急集中治療部, 講師 (60154340)
菊地 健次郎 札幌医科大学, 内科学第2講座, 助教授 (30045455)
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キーワード | カリクレイン / カリクレイン-インヒビター / 本態性高血圧 / 腎性降圧系 / 慢性糸球体腎炎 / 酵素比活性 / palyacrylamide gel electrophoreris |
研究概要 |
尿中カリクレイン酵素蛋白量と酵素活性の測定より算出された、両者の比であるカリクレイン酵素比活性は、低レニン本態性高血圧と慢性系球体腎炎患者で有意に低下しており、このことより両疾患者における腎カリクレイオーキニン系の活性低下は、酵素蛋白量低下に示される腎での酵素産生低下に加え、酵素活性のより強い抑制も関与することが前年度の研究により明らかにされた。この比活性低下に示される酵素活性の抑制が、酵素に対する特異的インヒビターによるものか、免疫活性は有するが酵素活性をもたない変性酵素の増大によるものかを明らかにすべく、まずpalyacrylamide gel electrophoreris(PAGE)を確立し、正常者、低レニン本態性高血圧患者、慢性糸球体腎炎患者の尿検体を粗精製しPAGEにて展開して異常酵素の有無を検討した。その結果、粗精製した尿中カリクレインは、正常者、低レニン本態性高血圧患者、慢性糸球体腎疾患者いずれにおいても、ある程度幅を有する1つのバンドとして同定され、明らかに分子量の異なる異常バンドを現段階では同定できていない。これが、PAGEの分解能の限界による可能性もありうるため、更に現在、Western Blot法により正常者と両群患者の尿検体におけるカクレインの生化学的性状につき検討中である。一方、PAGE展開後、gelを【^(125)I】-標識カリクレインと反応させ、標識物を結合するカリクレイン-インヒビター様物質が存在するかどうかも検討中である。ラットを用いた動物実験においては、Sprague-Dawley ratでDOCA-Salt高血圧を作製、対照ラットも併せ尿中・腎組識中のカリクレインを酵素蛋白量と酵素活性を測定した。その結果、DOCA-Salt高血圧ラットにおいては、尿・腎カリクレインの酵素蛋白、酵素活性が共に増大しており、現在更に、カリクレイン酵素比活性の面より、カリクレイン-インヒビターがこの活性増大に関与しうるかどうかを検討中である。
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