研究分担者 |
小林 陽二 日本医科大学, 医学部, 講師 (30153654)
福生 吉裕 日本医科大学, 医学部, 講師 (30150733)
赫 彰郎 日本医科大学, 医学部, 教授 (50089645)
盤若 博司 日本医科大学, 医学部, 教授 (40060339)
羽田 和正 日本医科大学, 老人病研究所, 助手 (30180889)
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研究概要 |
【I】)Cholesterol dynamics関連:a)老若差:cholesterol dynamicsの経年変化の特徴はFC(β→α)量と率の低値、EC(α→β)量と率の高値であり、この結果△HDL-Cの低値が起こる。その本質を追及するため、アポ蛋白(アボA【I】,A【II】,B,C【II】,C【III】,E)及びリン脂質を測定した。その結果リン脂質の本質的重要性が明らかとなった。b)疾患時のCholesterol dynamics:Xanthoma患者(若1.老2)CTX(Cerebrotendeneous xanthosis)患者について測定し、組織へのコレステロール沈着がFC(β→α)の減少やEC(α→β)の増加と関連しているると考えてよい成績を得た。殊にCTX患者では血清TC値が一般に低い(本症でも低い)ので、EC(α→β)の高値はコレステロール沈着の有力な要因であることを示唆していた。 【II】)リン脂質関連:a)老年者ではリン脂質のβリポ画分への遍在があり、従って、HDL-PL/TPL比が低い。b)血清TCレベルの増加は、HDL-PL/TPL比を下げる・C)(1)AI(Atherogenlc index)とアポA【I】量とは60%逆相関係にある。(2)AIとLCAT活性は60%相関する。(3)アポA【I】とLCAT活性は80%逆相関関係にあるなどの事実から、LCAT作用の発現度についてアポA【I】activator説と異なる見解を提出した。 【III】)HDL構成分の測定値から再構築したHDL粒子の模型図の作製:老年者10名(2-3年)、若年者10名(1年間)について1カ月1回採血し、TC、TG、PL、FC、HDL-C、HDL-FC、HDL-TG、HDL-PLの8種を測定し、個人別に集計した。それらの数値から非極性脂質(HDL-EC-HDL-TG)を中核にPLをその外層に極性基を内側に向けて配置し、その外層にFCを極性基を外側に向けて配置し、アポA【I】およびA【II】を最外層に配置して模型図を作った。この模型は(1)PLとFCとの量的関係(2)アポAIとLCAT活性の逆相関(3)老年者EC(α→β)の高値などの発現の理由を理解する上で便利である。
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