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1986 年度 実績報告書

動脈硬化モデル動物による動脈硬化度の定量化に関する基礎実験

研究課題

研究課題/領域番号 60480238
研究機関国立循環器病センター

研究代表者

長谷川 正光  循病セ, その他, 研究員 (30020738)

研究分担者 渡辺 嘉雄  神戸大学, 医学部動物実験施設, 助教授 (00031401)
キーワードWHHL rabbit / 粥状硬化斑 / 張力-ひずみ曲線 / 応力-ひずみ曲線 / 弾性率
研究概要

前年度はWHHL rabbitの大動脈における脈波解析を行ない、壁のレオロジー特性との相関を求めた。その結果、脈波速度は加令により増加するとともに壁張力の増大を伴った。これは動脈壁の硬化性変化に基づくものと考えられるが、内膜面の粥状硬化斑は一様でないため、壁の力学的特性を一律に扱うことは出来ない。そこで、本年度はまず小面積部分の粥状硬化状態と力学的特性を対比して、力学的硬化の実体を探った。
方法:8ケ月令のWHHL rabbitをネンブタール麻酔後、放血致死させた。開胸後、胸部大動脈上部を摘出して、幅5mmの円周方向切片を作製した。切片の張力を引張試験機(ミネベア、TOM-30J)で測定した。さらに、切片の内膜面における粥状硬化斑の面積比率を面積測定機(日本レギュレータ、プラニメックス)により計測した。
結果と考察:粥状硬化による内膜肥厚は壁の伸展特性を変化させることが予想される。この点を明らかにするために、張力-ひずみ曲線を求めた。その曲線勾配を粥状硬化の強い例と弱い例で比べると、前者が大きい。そこで、ひずみが0.5(生理的伸展範囲内)と0.75における張力を求めて壁厚との相関をとると、張力は壁厚が増すにつれて増大していった(γ=0.47,Ρ<0.75)。この壁厚は硬化斑の大きさとも比例するので、結局粥状硬化が強いと壁全体の強度は増すことになる。しかし、これが壁弾性率の増加を意味するか否かは問題である。この点を調べるために、応力-ひずみ曲線上でひずみ0.5と0.75における弾性率を計算して壁厚との相関をとると、弾性率は壁厚の増加につれて逆に減少していった。以上より、粥状硬化状態ではその進行につれて動脈壁の力学的硬化は増加してゆくが、構成成分からみた材質的強度はむしろ減少する。これは粥状硬化に伴う各構成成分の量的変化に起因するものと考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 長谷川正光: 日本バイオレオロジー学会論文集. 9. 295-298 (1986)

  • [文献書誌] 長谷川正光: 日本臨床生理学会雑誌. 16. 163 (1986)

  • [文献書誌] 長谷川正光: 脈管学. 26. 916 (1986)

  • [文献書誌] Hasegawa,M.: Biorheology. 23. 287 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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