研究分担者 |
辻本 愛子 山梨医科大学, 小児科学教室, 医員
中込 美子 山梨医科大学, 小児科学教室, 助手 (20198055)
東田 耕輔 山梨医科大学, 小児科学教室, 助手 (60173142)
雨宮 伸 山梨医科大学, 小児科学教室, 講師 (10118903)
AIKO Tsujimoto Yamanashi Medical College, Dept. of Ped.,
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研究概要 |
1.肝細胞グリコーゲンホスホリラーゼ活性化調節の発達学的変化 35-42日令, 50-60日令, 180-240日令のラットより単離した肝細胞におけるグリコーゲンホスホリラーゼ反応を検索した結果, アドレナリン作動薬刺激による酵素最大反応度が, 日令を経るにつれて低下した. この加令変化はβ-アドレナリン作動薬による反応で特に著明で, 30週令のラット肝ではホスホリラーゼの反応が殆んど消失していた. さらにこれはセカンドメッセンジャーであるサイクリックAMP産生量及び, 肝細胞膜中のβアドレナリン受容体の減少と平行し, 酵素反応の発達学的変化がホルモン調節の第1ステップである受容体の変化に起因すると考えられ, 非常に興味深い. またグルカゴンに対するホスホリラーゼの反応も加令に伴い減少し, さらにこれは最大反応度だけではなく, ED50の著明な上昇も伴っており, 今後この発達学的変化のメカニズム解明にも着手したいと考えている. 2.新生児ラット肝におけるホスホエノールピルベートカルボキシキナーゼ(PEPCK)の変化および母体へのプロプラノロール投与の影響 出生直後, 母体からの糖供給が遮断され, 賦活化される糖新生系律速酵素PEPCKを新生児ラット肝で測定, 出生後2時間より上昇を開始, 生後約2日で最大酵素活性を示した. プロプラノロール投与ラットより出生した新生児においても同様の酵素活性上昇が観察され, 最大活性値の低下も活性出現の遅れも証明されなかった. また, 新生児期における血糖値変化も, コントロール群とプロプラノロール投与群で有意差なく, 母体プロプラノロールによる新生児血糖調節障害は証明されなかった.
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