研究課題/領域番号 |
60480270
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
荻原 俊男 阪大, 医学部, 助教授 (60107042)
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研究分担者 |
橋爪 喜代子 大阪大学, 医学部, 医員
原 宏子 大阪大学, 医学部, 医員
田渕 義勝 大阪大学, 医学部, 医員
三上 洋 大阪大学, 医学部, 助手 (80173996)
真杉 文紀 大阪大学, 医学部, 講師 (20165707)
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キーワード | 本態性高血圧 / ナトリウム / カリウム / レニン / アルドステロン / カテコラミン / 心房性ナトリウム利尿ペプチド / 内因性ジギタリス様物質 / Na-KATPaseインヒビター / カルシウム / PTH / ビタミンD3 |
研究概要 |
本態性高血圧(EH)の成因と内分泌性因子解明の目的でNa摂取、Ca摂取と体液性因子の関連を昨年に引きつづき追求した。EH患者10例に1日2g食塩の減塩状態5日間の後、食塩摂取量1日20gの増塩状態を14間行い、この間の血圧、尿中Na排泄量、血奨レニン活性(PRA)、アルドステロン(PAC)、カテコラミン、αhANP、内因性ジギタリス様因子としてNa-KATPaseインヒビターの測定(ウアバイン様因子および非ウアバイン様因子)の測定を行った。増塩2週後尿量50%、尿Na排泄量400%増加、平均血圧は1週後15%、2週後16%増加した。PRAは1週後83%、2週後82%、PACは77%、70%に減少。血中ノルエピネフリンは45%,47%に減少した。血中ドーパミンサルフェートは不変であった。血中αhANPは1週後を頂値とする増加反応を示した。1,2週後のαhANPの変化率は尿中Na排泄量とは有意の正相関を、PRAとは負の相関を示した。平均血圧の変化率とは2週後において正の相関を示し、本ホルモンが血圧を修飾している可能性が示唆された。血中ウアバイン様因子は増塩により上昇を示し、1週後の血圧上昇率と正の相関を示した。増塩時の血漿を用い内因性ウアバイン様因子の精製をNa-KATPase阻害度、ウアバインRIAを用いて試みるも、現在のところ単一物質として分離は困難であり、さらに今後の課題である。前年度に見い出した高齢者EHのCa長期負荷の降圧機作をCa代謝関連ホルモンの動態から検討する目的でCa2g1日負荷に加え活性型VitD3を同時投与したところCa単独投与時にみられた降圧は消失し、Ca単独投与時は降圧度と血中VitD3減少降が相関したことによりCa負荷による降圧は内因性PTHの抑制にもとずく内因性VitD3の低下が関与しているものと相定され、さらに平滑筋細胞内Caの動態研究が必要である。
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