研究概要 |
ヒト血小板と特異的に反応する18クローンのモノクローナル抗体(HPL1〜18)を作製した。HPL1〜4の4抗体は血小板膜上のGP【II】b-【III】a分子と反応しHPL7〜18の12抗体はGP【I】bと反応することが明らかとなった。蛍光標識したモノクローナル抗体を用いて、各種先天性血小板異常症患者由来の血小板における分子異常につき検討し、Glanzmnn,s thrombastheniaにおけるGP【II】b-【III】aの欠損,Bernard-Soulier症候群におけるGP【I】bの欠損を確認すると共に、Bernard-Soulier症候群,Eptein症候群,May-Hegglin anomalyにおける巨大血小板の存在を確認した。 得られたモノクローナル抗体を用いて、抗原分子上の抗体結合部位と種々血小板機能との関連について検討した。 血小板膜蛋白GP【II】b-【III】aを認識するモノクローナル抗体を精製後、10mgをSepharese-4Bにカップリングし、全血小板可溶化液(血小板数5×【10^(10)】個)からGP【II】b-【III】aを精製した。得られた蛋白がGP【II】b-【III】aであることをSDS-PAGEにより確認した。 ゲルろ過カラム(TSK4000SW)を用いて、得られた蛋白複合体をGP【II】bとGP【III】aに分離回収し、同一カラムにて再クロマトグラフィーを行なった。SDSが除去されたGP【II】bおよびGP【III】aの各検体をリシルエンドペプチダーゼにて処理し、オリゴペプチドに分解されたGP【II】bとGP【III】aの各検体を逆相カラム(C18)を用いた高速液体クロマトグラフィーにて解析した。214nmの吸光度でモニターし、それぞれの分子のペプチド・マッピングを得た。GP【II】bおよびGP【III】aの一部のオリゴペプチドのアミノ酸配列を決定した。GP【II】bにおいて26残基(2ペプチド),GP【III】aにおいて34残基(3ペプチド)を同定した。
|