研究課題/領域番号 |
60480305
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
土屋 凉一 長崎大, 医学部, 教授 (70025534)
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研究分担者 |
冨岡 勉 長崎大学, 医学部, 医員 (30231450)
井沢 邦英 長崎大学, 医学部, 講師 (40124820)
角田 司 長崎大学, 医学部, 講師 (00110841)
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キーワード | 急性膵炎 / 膵管性膵炎 / 自家胆汁 / 胆汁逆流性反復性膵炎 |
研究概要 |
昭和60年度は慢性膵炎の一病態としての膵組織の脂肪置換について実験的に追求した。61年度は急性膵炎の中で人膵炎で頻度が高い胆石性膵炎すなわち胆汁逆流性反復性膵炎の慢性化への移行について病理形態学的に実験した。従来より膵管性膵炎発生機序としてはcommon chaunel theorg,ofstrction-by persecrctiontheory,duodenal reflux theoryがある。それらのtheoryの是否を解明するために犬を使用し、膵を後腹膜に縫着し、人膵と同様の状態としたうえで、感染がなく、十二指腸液とも混じていない自家胆嚢胆汁を採取し、ドレナージされた自然の状態にある膵管内に0.1ml/kgを週1回あて間歇的に注入し、膵の組織学的変化を検索した。胆汁注入用チューブはDorsal ductに挿管し、注入された胆汁が一過性に膵に作用した後膵管から腸へ流出する様にmain ductは閉鎖しない様な深さまでの挿管とした。挿管の適切さはレンドン造影にて確認し、膵炎の発性は注入前後のAmylaseの測定により確認した。経時的に生検、屠殺した膵組織はHE、アッソン等の染色にて線維化その他を検索した。胆汁週一回4〜6回注入にて血中アミラーゼ値の上昇は少くなり、同時期の膵生検時の肉眼所見では、膵は腫大し、硬度は増し、白色から桃色となっていた。組織学的には膵の腺房周囲、小葉間、膵管周囲の線維化が出現したが急性増加巣はなかった。またprotein plugの貯留や膵管上皮の粘濃細胞化生も認められなかった。8回胆汁注入後1年経過した犬の膵はUentrul pancresは白色線維化萎縮著明であり完全なdup functionの状態であったが、一方同犬の非注入側すなわちDorsal pancreisは肥原のみで線維化は認められなかった。現在は更に種々の時期に於ける膵病変の変化を観察中である。
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