研究分担者 |
西浦 清昭 長崎大学, 医学部付属病院, 医員
森田 茂利 長崎大学, 医学部付属病院, 医員
山口 聡 長崎大学, 医学部付属病院, 医員
MORITA Shigetoshi Nagasaki University, School of Medicine
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研究概要 |
薄層ポリアクリルアミドゲルを用いた等電点電気泳動法によるα_1Antitrypsin Banding Pattern(α_1ATBP)の成績は健康成人28名中27例96.4%がNegative慢性膵炎36例中31例86.1%がNegativeでありFalsePositiveは計3例4.7%であった. 膵癌では43例中32例74.4%がPositive, 6例20.0%がSuspiciousであり, 胆道系癌44例では夫々34例77.3%, 6例13.6%であった. 一方, 胃癌, 大腸癌, 原発性肝癌ではPositiveは28.6〜32.5%, Suspiciousは10.0〜28.6%であった. 切除可能であった膵, 胆道系癌35例中, Positiveは29例82.9%, Suspiciousは4例11.4%であた, Fals Negativeは2例5.7%に過ぎなかった. また, Transferrinについても同様の方法で検討した結果, 量的なものでは膵, 胆道癌では219±97, 227±66mg/dlとコントロール266±49mg/dlより有意(P<0.05)に低く, 質的にはSlow band/Fast band(%)が膵癌では45.1±15.0と慢性膵炎72.1±19.1より有意に低かった. この質的S.band/F.bandはシアル酸が関与していると考えられる. さらにハムスターDHPN膵癌における実験的研究によりTfの質的変化と胆癌との関連が示唆された. Tfは膵・胆道系癌の腫瘍マーカとして有用であった. ヒト膵癌患者血清α_1ATと正常α_1ATのアミノ酸分析の結果, No6bandのAlanineとGlycineが増加し, Lysineは減少していた. また3′Me-DAB肝癌におけるラットの血清α_1-ATは組織学的に認められる程の小腫瘍例でも, No1, 2bandが増加しNo5bandが減少していた. この実験結果も各bandの増減はシアル酸と関連していると考えられた. ヒト膵癌切除組織におけるα_1AT, CEA, CA19-9を検討すると, α_1AT_1は癌部みでなく, 間質, 非癌部さらに慢性膵炎の膵管上皮や腺細胞にも存在した. しかし, α_1ATBPがPositiveである膵癌9例では癌部のα_1AT_1は6例に多く非癌部では少なかった. またNegative3例では癌部にα_1ATはなかった. このようにα_1ATや
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