研究課題/領域番号 |
60480327
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
魚住 徹 広島大, 医学部, 教授 (20028426)
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研究分担者 |
大田 正博 広島大学, 医学部附属病院, 講師 (20136071)
向田 一敏 広島大学, 医学部・脳神経外科学, 助手 (70183647)
迫田 勝明 広島大学, 医学部・脳神経外科学, 助教授 (00112194)
伊藤 明弘 広島大学, 原爆放射能医学研究所・放射線誘発癌部門, 教授 (60034633)
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キーワード | 下垂体腫瘍 / 殺細胞効果 / ブロモクリプチン / 温熱効果 |
研究概要 |
昭和60年度および61年度いずれも臨床知見の集積と実験知見の増加を目標としたが、殊のほか、後者、即ち実験知見については培養法が大きな問題となった。即ちこの研究の端緒のひとつである単層培養細胞に対するブロモクリプチンの殺細胞効果が確認された培養条件の再現が非常に困難であったという問題である。既に報告した様に60年度にはよい手掛かりが掴めず、これの文献的検討も行ったが、やはり腫瘍細胞の単層培養は極めて困難と云わざるを得なかった。そこで61年度はもう一度、原点に立ち帰って培養系の再検討を行った。即ち1)通常単層培養法,2)細胞接着基質としてコラーゲンを敷いた単層培養法,3)コラーゲン・ゲル重層法,4)コラーゲンゲル密封法(3次元培養)の4種について、それぞれDNA合成酵素阻害剤であるシトンニ・アラビノンド(Ara C)の【10^(-5)】M添加群と未添加群の2系の検討を行った。予想通りAra C添加により線維芽細胞の増殖は明らかに抑制された。培養24日目に培養細胞を固定し、通常染色と免疫染色を行った所、2)3)4)の群はAra C添加の有無に関らず、腺腫細胞の半数位が死滅していた。1)のAra C添加群が最も良好な成績であった。問題はコラーゲン・ゲル培養法は腺腫細胞の遊離を防ぐ利点があるので、更にこの方法の再検討も考慮している。 なお60年度から61年度にかけて臨床経験(手術成績、follow up成績を含む)の検討を行いこれらにはブロモクリプチン等の殺細胞効果B至は抑制効果の臨床経験も含まれている。ブロモクリプチンの単独効果については現在なお長期成績を検討中で来年度には論文発表が出来ると思われる。
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