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1986 年度 実績報告書

脊髄傷害初期段階における微少形態学的及びモニターとしての電気生理学的検査の評価

研究課題

研究課題/領域番号 60480334
研究機関旭川医科大学

研究代表者

原田 吉雄  旭川医大, 医学部, 助教授 (40001937)

研究分担者 熱田 裕司  旭川医科大学, 医学部, 助手 (90167924)
平山 隆三  旭川医科大学, 医学部, 講師 (10110644)
竹光 義治  旭川医科大学, 医学部, 教授 (00038663)
キーワード脊髄血流量 / 脊髄誘発電位 / マイクロスフェアー法 / 脊髄牽引障害
研究概要

〈日的〉脊髄機能障害には物理的及び化学的因子が関与するが何れも脊髄内循環と密接な関係があると推察される。本実験の目的は、牽引による脊髄の急性障害と脊髄血流量との関連を明確にすることである。
〈方法〉成猫14頭を用いた。同一個体の牽引前、牽引中、牽引解除後の3時点で異なるアイソトープ(Cr,St,Ce)でラベリングしたマイクロスフェアーを各々左心室より注入しT8-L6の各髄節ごとに脊髄血流量を測定した。脊髄誘発電位は、刺激電極を上位胸椎、記録電極を第4腰椎のそれぞれ硬膜外腔背側正中部に設置し、0.1ms,10mA,10ppsで刺激し30回の平均加算回数で記録した。牽引は、第1/2腰椎椎間板レベルで椎体を介して行い、牽引量は下行性脊髄誘発電位の第1電位の振幅により標準化して次の4群に分類した。第1群:潜時の延長のみで振幅に変化のないもの(3頭)、第2群:振幅低下20%以下のもの(6頭)、第3群:振幅低下20%〜50%のもの(3頭)、第4群:振幅低下50%以上のもの(2頭)である。
〈結果〉下行性脊髄誘発電位は、牽引量の増大に伴い第1電位は当初潜時の遅延のみで振幅は不変であるが、次第に振幅は低下した。振幅低下が50%未満では牽引解除により電位は回復してくるが、50%以上になると不可逆的であった。一方、第1電位と脊髄血流量との関係では、当初被検髄節全体に増加するが(第1群)、第1電位の振幅が低下する頃より牽引部頭側を中心に減少した(第2群)。第1電位の振幅低下が20%から50%未満では牽引部を中心とした脊髄血流量の低下が増強したが、牽引解除により牽引前より血流量は上昇した(第3群)。しかし第1電位の振幅低下が50%以上になると被検髄節全体の血流低下がみられ、牽引解除後も牽引部頭側では低下したままであった(第4群)。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 原田吉雄: 臨床整形外科学会誌. 21. 340-341 (1986)

  • [文献書誌] 原田吉雄,熱田裕司,今井充,柴田稔 他: 臨床整形外科学会誌. 21. 493-503 (1986)

  • [文献書誌] 今井充: 第6回医療情報学連合大会論文集. 207-208 (1986)

  • [文献書誌] 柴田稔: 臨床整形外科. 21. 821-828 (1986)

  • [文献書誌] 竹光義治: 臨床整形外科学会誌. 21. 337-339 (1986)

  • [文献書誌] 柴田稔: 中部日本整形災害外科学会誌. 29. 731-737 (1986)

  • [文献書誌] 原田吉雄,竹光義治: "骨折・外傷シリーズNo.4 脊椎の外傷その2" 南江堂, 137-152 (1986)

  • [文献書誌] 原田吉雄: "整形外科Mook46 脊椎損傷" 金原出版株式会社, 286 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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