研究概要 |
脊椎後縱靭帶骨化症(以下OPLLとする)の成因と発症機序を解明するため、昭和60年以来、家系調査,双生児調査および血液型などの調査を試み、一部中間的な分析を行ったので、報告する。 1)双生児調査 昨年度に引きつづき本年度も(1)9月末日に全国の日整会認定病院1497施設にアンケート調査を試みたが回答率は152/1497=0.1015±0.0078、さらに(2)12月15日可能性のある41カ所に再度アンケート調査を試みたが、その回答率は0/41=0で漸次回答率は低下しつつあるのみならず双生児の該当者も0である。しかし双生児出生頻度は1/160〜1/170とされているので、今後さらに調査を継続すれば資料増加も期待される。 2)OPLLと遺伝マーカーに関する調査 本年度はOPLL患者42名を対象に調査を試みたので昨年度に加えて78人について調査した結果と東京近郊集団と比較した。その結果はOPLLと(1)MN型および(2)【PGM_1】型で両者間に統計的に有意な関連がみられた。昨年度の結果ではOPLLと(1)MN型,(2)Hp型および(3)【PGM_1】型との間で関連がみられたが、本年度は調査例数を増して分析した結果Hp型はOPLLとの有意な関係は消失した。 なお家系調査については、本年度も若干調査数が増えたが家系単位で完成したものが少く、これはさらに次年度に引きつぎたい。
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