研究分担者 |
根本 哲夫 慶大, 整形外科教室, 助手
高山 真一郎 慶大, 整形外科教室, 助手
田崎 憲一 慶大, 整形外科教室, 助手
堀内 行雄 慶大, 整形外科教室, 助手
伊藤 恵康 慶大, 整形外科教室, 講師 (90101948)
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研究概要 |
(1)臨床にてしばしばみるエントラップメント・ノイロパチーの中で代表的な疾患である手根管症候群や肘部管症候群は、また絞扼性神経障害ともよばれその病態、発症機等が次第に解明されてきている。われわれは、本症が圧迫や絞扼という機械的因子にかえて、末梢神経自体の易損性という因子について着目し、両面から実験的研究を行ってきた。 自家考案スプリング式持続圧迫装置を、イヌ坐骨神経に長期間埋没装着せしめ、各種の亜急性圧迫神経障害を生ぜしめた。 (2)この圧迫神経モデルを用いて、電気生理学的,組織学的(光顕ならびに電顕)に検索を加え、さらにときほぐし法により、エントラップメント・ノイロパチーの病態の検索を行うことができた。 これに神経軸索内輸送の状態を知る目的で、軸索構成蛋白のうち、ニューロフイラメントとチュブリンの二種について、酵素抗体法を用いて染色し、その推移を観察した。 (3)一方、末梢神経自体の易損性を解明するために、妊娠イヌを用いて、圧迫障害を誘起せしめ、非妊娠イヌのそれと対比し検討を加えた。妊娠イヌではきわめて容易に神経麻痺が生じ、ホルモンの異常,神経の浮腫,神経周膜の防御機構の低下などが考えられた。 (4)また、娠産婦には、手根管症候群や腱鞘災が好発するが、これらの血中および尿中ホルモンの定量、ビタミン【B_6】,【B_(12)】の定量を行い、これら疾患の発生原因を検索した。 (5)ヒト,イヌ以外にて同様疾患状態を検討する目的で、モルモットを特殊飼育箱にて飼育し、モルモットにエントラップメント,ニューロパチーを誘発せしめ、これに電気生理学的,組織学的、ときほぐし法による検索を加えている。
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