• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1986 年度 実績報告書

ゴナドトロピン及びプロラクチン分泌に関する細胞内機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 60480367
研究機関大阪大学

研究代表者

青野 敏博  阪大, 医学部, 助教授 (50028445)

研究分担者 田坂 慶一  大阪大学, 医学部, 助手 (50155058)
堤 博久  大阪大学, 医学部, 助手 (40135710)
寺川 直樹  大阪大学, 医学部, 助手 (90135690)
三宅 侃  大阪大学, 医学部, 講師 (90093468)
キーワードTRH,LH-RH / プロラクチン / 下垂体前葉細胞 / アラキドン酸 / PMA / 5-HETE / Cキナーゼ
研究概要

TRHやLH-RHは下垂体前葉からプロラクチン(PRL)やLHの分泌を促進するが、受容体と結合後の細胞内情報伝達機構については明らかでない。TRH,LH-RHが受容体と結合すると、phosphatidyl inositolの代謝回転が促進され、【Ca^(2+)】の動員がおこる。そこで【Ca^(2+)】 PI代謝回転により生じるジアシルグリセロール(DG)によって活性化されるCキナーゼがPRL,LH分泌伝達機構に関与しているかどうかを検討した。実験系としてラット下垂体前葉細胞またはLHを含む下垂体細胞(gonadotrophs)を下垂体前葉細胞から分画して用いた。Cキナーゼを直接活性化するPMAを培養液中に添加し、PRL,LH,Cキナーゼ活性を測定した。(1)PMAの濃度に応じてPRL,LHが用量反応的に分泌が増加した。(2)下垂体細胞のサイトソールに高いCキナーゼ活性が認められ、PMAの添加に伴いサイトソールでの活性の低下と膜分画での活性の上昇が認められた。(3)gonadotrophsにLH-RHを添加してもサイトソール,膜分画でのCキナーゼ活性の変動が同様に認められた。以上のことからTRH,LH-RHは受容体と結合後、DG、【Ca^(2+)】によるCキナーゼの活性化、Cキナーゼのサイトソールから膜への移行を介して、PRL、LH分泌という生理作用を発現すると考えられた。次にCキナーゼ系とアラキドン酸系との関係について検討した。昨年アラキドン酸はTRHによって細胞膜から遊離し、PRL分泌を促進することを報告した。PMAとアラキドン酸またはアラキドン酸のlypoxygenaseによる代謝産物である5-HETE(5-Hydroye-icasatetraenoic Acid)を下垂体細胞に添加したところ相加的にPRL分泌を促進した。lipoxygenaseの阻害剤であるAA-861はPMAによるPRL分泌を抑制しなかったが、AAによるPRL分泌を抑制した。これらのことよりラット下垂体細胞のPRL分泌における細胞内情報伝達機構としてCキナーゼ系とアラキドン酸系が存在し、それぞれが独立した経路として作動し、相加的にPRL分泌を促進していることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 廣田憲二,青野敏博,池上博雅,門脇浩三,谷澤修: ホルモンと臨床. 34. 365-369 (1986)

  • [文献書誌] 廣田憲二,青野敏博,池上博雅,門脇浩三,谷澤修: 日本内分泌学会雑誌. 62(4). 324 (1986)

  • [文献書誌] 池上博雅,小池浩司,廣田憲二,門脇浩三,青野敏博,谷澤修: 日本内分泌学会雑誌. 62(4). 332 (1986)

  • [文献書誌] 池上博雅,小池浩司,小泉清,福井英人,三宅侃,青野敏博,谷澤修: 日本内分泌学会雑誌. 62(9). 961 (1986)

  • [文献書誌] 廣田憲二: "続生化学実験講座" 東京化学同人, 6 (1986)

URL: 

公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi