| 研究分担者 |
上田 康夫 神戸大学, 医学部, 助手 (20168636)
出口 正喜 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (70163938)
丸尾 猛 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (60135811)
森川 肇 神戸大学, 医学部, 講師 (30030894)
足高 善彦 神戸大学, 医学部, 助教授 (10030959)
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| 研究概要 |
1.糖,脂質およびアミノ酸代謝:実験的糖尿病ラットや飢餓ラットを作成し、胎仔の発育と内分泌動態を検討したところ、ともに両者はIUGRを発症するものの、その病態は異なっており、前者においては胎仔膵B細胞機能やグルカゴンレセプターの機能障害が生じていることが明らかとなった。2.妊娠中毒症の発症因子:食塩負荷試験やAngiotensin負荷試験を妊娠中毒症妊婦に行い、レニン活性とカリクレイン活性を測定分析したところ、中毒症妊婦では正常妊婦にくらべ食塩負荷時の血圧上昇,またAngiotensin II負荷時のRenin分泌抑制の欠如,およびBradikinin分泌刺激の抑制などが著明であった。 3.カルシウム代謝:妊娠中毒症妊婦におけるCa代謝の検討を行い、血清カルシウムや活性型ビタミンDの低値,血清PTHの高値をみとめた。またラット腸管を用いた検討では非妊時にくらべ妊娠末期にはCaの吸収の亢進とみとめた。 4.甲状腺ホルモン:甲状腺ホルモンの末梢での代謝を検討するために、ヒト胎盤のホモゲネートと甲状腺ホルモンのIncubation実験を行った。その結果、ホモゲネートのマイクロゾーム分画に5n-mono-deiodinaseが存在し、この酵素により【T_4】がリバース【T_3】に転換されることが判明した。特にこの傾向はIUGRやPlacental dysfunctionなどで著明で、それにより、母体はhypometatabolicな状態になると推定された。 5.胎児発育,胎盤機能と潜在性胎児仮死:妊娠中毒症を対象として、IUGRの程度により胎児仮死発生率が異なるか否かを知るために、各relative birth weight(胎児発育度)ごとの胎児仮死発症率を求めたところ、この両者には明瞭な関係があり、IUGRの程度の強い胎児ほど胎児仮死となりやすいことが判明した。
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