研究課題/領域番号 |
60480369
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
鳥越 正 山口大, 医学部, 教授 (40034912)
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研究分担者 |
森岡 均 山口大学, 医学部, 助手 (50182217)
渡木 邦彦 山口大学, 医学部附属病院, 助教授 (70127801)
加藤 紘 山口大学, 医学部, 助教授 (10034969)
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キーワード | 腫瘍マーカー / 扁平上皮癌 / 子宮頚癌 / モノクローナル抗体 / ヌードマウス |
研究概要 |
今年度の研究目標は下記の如くであった。 1.TA-4亜分画の中でも特に扁平上皮癌に関連性の強い酸性TA-4について、レクチン吸着性などを中心にその性質を検討する。 2.細胞における生合成に影響を与える因子につき検討する。 3.酸性TA-4に特異的なモノクローナル抗体を作製する。 4.臨床的には初期癌の診断率を高めるため、各種体液(特に頚管分泌液)に出現するTA-4分画の存在様式につき検討し、癌診断への応用性を明らかにすることである。 以上の目的に添って得られた成績は次の如くである。 1.TA-4亜分画を精製する原料としてヌードマウスに移植可能な細胞株を樹立し、継代移植して腫瘍組織を得た。 2.TA-4亜分画の性状につき各種レクチンを用いて検討した結果、PHA-Eレクチンに吸着性を有する酸性TA-4を発見した。 3.酸性TA-4に対して特異性の高いモノクローナル抗体を得た。本抗体を利用した免疫組織染色(ABC法)でTA-4の組織内局在を検討した結果、酸性TA-4活性は扁平上皮癌組織に多く、正常扁平上皮ではほとんど認められないことが確認された。現在このモノクローナル抗体を用いたRIA系を検討中である。 4.子宮頚管分泌液のTA-4亜分画を等電点電気泳動法にて分析し、子宮頚癌では酸性TA-4/中性TA-4の割合が高い傾向を示すことを確認した。現在、検体の採取法など更に実用的な手技を検討中である。 5.TA-4生合成に影響を与える因子については、扁平上皮癌培養株を用いて、現在検討中である。
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