研究概要 |
妊娠中期胎児の子宮外適応に関する病態生理学的研究の一段階として、出生後の子宮外適応が遅れると言われている帝王切開分娩児(以下C/S群)と正常経膣分娩児(NSD群)において一回換気量(VT),静的総肺コンプライアンス(Crs)及び,肺抵抗(R)を経時的に測定し比較検討を行った。 対象:対象は正常正期産児において、VTの測定はC/S群,NSD群各々15人,VT及びRの測定にはC/S群9人,NSD群11人であった。C/S群の児はいずれも選択的帝王切開分娩児で、全員腰椎麻酔下で行われた。 方法:fleish型pveumotachogropnと呼吸モニター(VH8400)を用い、得られたdatasをパソコン(PC9801)にて処理を行った。方法はinfant fare waskを用いariway occlusion techniqueによりHering-Breuer反射を利用し、得られたflowとvolumeより、パソコンにてflow-volume曲線を描き、Lesouefらの方法によりVT及びRを決めた。 結果:1)VTの推移は、生後15分値ではNSD群>C/S群であったが、それ以後は両群での差は認められなかった。 2)Crs及びRの推移では生後30〜60分において両群の差は認められなかった。 3)以上より正常正期産児においては、帝王切開児であっても比較的早期に呼吸の確立が行われるものと推測された。未熟児における検討は今後の課題として残された。
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