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1986 年度 実績報告書

喉頭癌,下咽頭癌の喉頭保存治療に関する病理学的,機能的ならびに臨床的研究

研究課題

研究課題/領域番号 60480386
研究機関久留米大学

研究代表者

平野 実  久留米大, 医学部, 教授 (60080868)

研究分担者 平出 芳生  久留米大学, 医学部, 講師 (50140695)
栗田 茂二朗  久留米大学, 医学部, 講師 (90148825)
吉田 哲二  久留米大学, 医学部, 助教授 (70080926)
キーワード喉頭癌 / 下咽頭癌 / 機能保存治療
研究概要

1.病理組織学的研究:A.喉頭癌.下記のことを明らかにした。(1)軟骨浸潤はT2以上にみられ、病期の進行とともに頻度が多くなる。(2)声門癌では甲状披裂筋に浸潤がおこると声帯運動が制限され、3/4以上浸潤すると声帯は固着する。また筋突起周辺に浸潤すると声帯は固着する。(3)声門上癌では披裂部に塊状の浸潤がおこると声帯は固着する。B.下咽頭癌.下記のことを明らかにした。(1)喉頭の軟骨および筋への浸潤はT2以上にみられ、病期の進行とともに頻度が多くなる。(2)梨状陥凹癌では、喉頭の固着は喉頭筋、反回神経、輪状披裂関節への浸潤によってもおこるが、披裂部と声門傍間隙上部への浸潤のみによっておこる例もある。(3)輪状後部癌では反回神経への浸潤がおこりやすく、これによって声帯は固着する。(4)従来強調されていた梨状陥凹先端への浸潤と喉頭内浸潤との相関は認められない。(5)従来喉頭を摘出していた症例の約40%では喉頭を保存して癌を治せる可能性がある。
2.機能に関する研究:(1)喉頭半側切除後の発声機能の特徴は、健側声帯以外の部位が不規則に振動する例が多く声は粗そうになる。また声門閉鎖不全のため気息性、声門上部の過内転のため緊張性の発声をする傾向がある。(2)標準的喉頭水平部分切除後の嚥下機能は、喉頭の吊り上げと輪状咽頭筋切断によって誤嚥は防止できる。披裂軟骨を切除すると誤嚥をおこしやすいので、再建手術を要する。
3.治療法の研究。(1)喉頭半側切除術後の再建に筋を用いる場合、その萎縮のおこり方を動物モデルで明らかにした。(2)筋の代りに舌骨を用いる再建法を考案し臨床に用いた。(3)喉頭下咽頭部分切除術後に大胸筋皮弁を用いて再建する方法を考案し臨床に用いた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 平野実: 耳鼻咽喉科臨床. 79. 67-71 (1986)

  • [文献書誌] 栗田茂二朗: 日本耳鼻咽喉科学会誌. 89. 899-904 (1986)

  • [文献書誌] 平野実: 耳鼻咽喉科. 59. 49-54 (1987)

  • [文献書誌] 平野実: 耳鼻咽喉科臨床.

  • [文献書誌] Minoru Hirano: Annals of Otology,Rhinology & Laryngology.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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