研究課題/領域番号 |
60480391
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
田中 靖彦 慶応大, 医学部, 講師 (30051551)
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研究分担者 |
明尾 潔 慶應義塾大学, 医学部・眼科, 助手 (90146663)
宮田 博 慶應義塾大学, 医学部・眼科, 助手 (60174190)
気賀沢 一輝 慶應義塾大学, 医学部・眼科, 助手 (20129406)
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キーワード | 網膜色素上皮細胞 / 視細胞外節 / 貪喰能 / ライソゾーム / ラテックス細粒 / 細胞骨格 |
研究概要 |
1.ヒト視細胞外節貪喰時の走査および透過電子顕微鏡所見 前年度においてラテックス細粒を用いてヒト培養網膜色素上皮細胞(以下RPEと略す)の貪喰過程を観察した。本年度はさらに生体に近いヒト網膜視細胞外節を分離し、ヒト培養RPEに対しての貪喰実験を行なった。 (1)走査電顕所見:貪喰過程の初期の段階として指状の microvilli で包みこまれるために表面が粗そうになったヒト視細胞外節の両端にさらに他のmicro-villiが絡みついている。 (2)透過電顕所見:外節は細胞内に取り込まれた直後は本来の形態を保っており、粗面小胞体は開いた状態でattached ribosomeの数も増加して、表面にはpinocytotic vesiclesが数多くみられた。細胞内では外節の周囲に集中し付着しているmicrofilamentも認められた。lysosome によって消化され一層の膜で囲まれた均一の内容をもつphagolysosomeとなってみとめられた。ルテニウムレッドにて、RPEの細胞膜と外節の円盤に陽性所見をみとめ、酸性多糖類の存在を示した。 2.ヒト培養RPEの細胞骨格について(ラテックス細粒貪喰時サポニン処理)ヒト培養RPEには、60〜130nmにわたる口径をもつstress fiberが認められ、ラテックス細粒貪喰時にはmicrofilamentに担当する口径25〜30nmの fiber が絡みつき、これらにつつみこまれるようにして細胞内にとり込まれる。とりこまれるにつれて、ラテックス細粒は stressfiber などが癒合して生じた膜状物で包まれ、完全に取り込まれると、細粒周囲のstressfiberの間には、より大きな空洞が観察され、それは細胞骨格以外の成分(例えばライソゾームなど)が多いためと思われた。今後、アクチン,ミオシンなどの蛋白質に対する抗体を用いて、ヒト培養RPEの骨格の構成蛋白質を明らかにしてゆきたい。
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