研究課題/領域番号 |
60480395
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小林 茂夫 新大, 歯学部, 教授 (40018403)
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研究分担者 |
新井 秀明 新潟大学, 歯学部, 助手 (00175952)
吉田 重光 新潟大学, 歯学部, 助教授 (80174928)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 免疫組織化学 / ニューロフィラメントプロテイン(NFP) / S-1600蛋白 / 歯根膜 / ヒト / ラット / カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP) |
研究概要 |
我々は、長年にわたり尿素鍍銀法及び電子顕微鏡を用いて、歯牙系における神経支配について検索をすすめてきた。しかし既存の方法では神経線維の同定は出来るものの、その性質まで解析することは困難なため、我々は免疫組織化学的手法を歯牙硬組織領域に導入を試みた。ニューロン特異蛋白の一つであるニューロフィラメントプロティン(NFP)とグリア特異蛋白であるS-100蛋白に対する抗血清を用いて、歯牙系の神経支配に関する研究をすすめた。脱灰標体にこの方法を応用するために、固定法,脱灰液及びそれぞれの期間について検討を加え、方法を確立した。脱灰標本への免疫組織化学の応用法の確立後、ヒト象牙質及び象牙前質内の神経線維の三次元的構築を明らかにし、歯の痛覚受容に関して考察を加え、その受容機構を形態的に明らかにした。さらに、ラット臼歯部の歯髄及び歯根膜内神経の検索を行なった。ラット臼歯象牙前質及び象牙質内での神経線維の走行は、ヒトと異なり、非常に単純なものであった。また歯根膜内においては、単純性自由終末のほかに、ルフィニ小体終末が存在することを光線顕微鏡的に初めて明らかにした。このルフィニ小体終末は、主として歯根膜線維の伸展を感受するリセプターとして機能しているのではないかと思われる。また、ペプチド性伝達物質としてのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)ガラット臼歯歯髄及び象牙前質内に分布していることを初めて見い出した。さらにこれの終末を透過電子顕微鏡を用いて観察し、歯髄及び象牙前質内での機能的役割を考察した。
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