研究課題/領域番号 |
60480403
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
角野 隆二 日大, 歯学部, 教授 (40014378)
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研究分担者 |
葭田 多美子 日本大学, 歯学部, 助手 (00147646)
岩田 幸一 日本大学, 歯学部, 助手 (60160115)
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キーワード | ケタミン麻酔ネコ / Jaw Depression Neuron / 咬筋筋紡錘 / phasic type neuron / burst type neuron / 冠状回 / 3b野 / 3a野 |
研究概要 |
ケタミンで軽麻酔したネコを用い、下顎の索引に応答するニューロン活動(J.D.Neuron)を大脳皮質で記録し、その応答様式および皮質内分布を検索し、咬筋入力、特にmuscle spindleよりの感覚情報が大脳皮質でどのように処理されているかを研究し、以下のような結論を得た。 (1)下顎の索引に応答するニューロンとしては、顎の動きと同時に一過性のスパイク発射を示すphasic type neuron(p.t.neuron)と、群発性発射を示すburst type neuron(b-neuron)の2つのtypeがあった。 (2)両typeのneuronとも冠状回に沿って、その前方部から中央部に至る領域(咬筋入力の前方投射野)および後方部(後方投射野)に分布していた。 (3)p-neuronは前方および後方の両投射野に存在したが、b-neuronの多くは、前方投射野に分布していた。 (4)p-neuronもb-neuronもその多くは、顔面皮膚から低閾値入力を受けていた。 (5)b-neuronの多くは咬筋の弱い圧刺激に応答し、さらにサクシニールコリン(0.8mg/kg)の静注により、持続性の強い発火頻度の増加を示した。 (6)これらのニューロンの分布領域を細胞構築上同定すると、両typeのニューロンとも3aまた3b野に分布していたが、b-neuronで筋の圧刺激に応答し、サクシニールコリンで反応が増強するニューロンは、すべて3a野に存在していた。 (7)30μA以下の皮質内微小刺激により、顎顔面口腔領域に運動を引き起こしたのは、前方投射野のみであった。 以上の結果により、ネコの大脳皮質冠状回前方の3a野には、咀嚼筋(咬筋)の筋紡錘より入力を受け、顎顔面口腔領域の運動に強い関連性をもつニューロンが存在することが判明した。
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