研究課題/領域番号 |
60480422
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
塩川 延洋 新大, 歯学部, 教授 (90018408)
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研究分担者 |
大川 成剛 新潟大学, 歯学部, 助手 (80143791)
渡辺 孝一 新潟大学, 歯学部, 助手 (20018766)
宮川 修 新潟大学, 歯学部, 助教授 (40018429)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 研削能率 / 立方晶窒化ホウ素 / ダイヤモンド / 電着 / ビトリファイド / アルミナ / AE / 振れ |
研究概要 |
研削性能の試験と並行して、AE解析、振動解析、及び、EMXによる切りくずの形態やホィール研削面の観察を行い、歯科研削の機構を検討した。得られた結果を以下に総括する。 1.AEの測定から、AEがスパークアウト終了の判定に有効であること、また、ホィールの偏心のために、その回転数に対応する周期の断続的な研削がおきやすいことがわかった。 2.AEの振幅スペクトルの解釈では不明の点が多く、必ずしも十分な成果は得られなかった。歯科研削の研究にAEを応用するには多くの基礎的なデータの積み重ねが必要である。 3.ダイヤモンド電着ホィールの性能は研削初期に極めて大きいが、時間とともに著しく低下する。これは目づまりや砥粒の摩滅、脱落のためでない。供試ホィールでは、砥粒の保持力を強くするのに用いているNi-P合金メッキが、長時間の乾式研削で何らかの変化をおこし、それで研削性能が低下したと思われる。 4.ダイヤモンド電着ホィールの初期性能には遠く及ばないが、CBN電着ホィールも比較的安定した高い性能が持続する。 5.被削材とハンドピースの振動、及びマンドレールの振れまわりの解析から、ビトリファイド系ホィールと電着ホィールとでは、研削機構に著しい違いのあることがわかった。 6.ビトリファイド系ホィールの場合は、被削材に適した砥石構成要素のホィールを選択すること、及び、砥粒の切れ刃の自生作用を促進するような研削を行うことが肝要である。そうすれば、研削条件にもよるが、Co-Cr合金についてはアルミナホィールでも、CBN電着ホィールに匹敵する研削性能が得られる可能性もあることが示唆された。 7.したがって、Ni-CrやTi系など、その他の多様な難削性合金にたいしても、砥粒の粒度、結合度、及び組織を変えた種々のホィールの研削性能を比較検討し、それぞれの合金に適した砥石構成要素を確定する必要がある。
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