1.正常乳児における母乳栄養児では延べ95名、人工栄養児では延べ47名、口蓋裂乳児では延べ91名について、生後0.5カ月、1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月時における体重、体重増加量、吸啜日数、吸啜圧乳首圧迫圧、哺乳量、哺乳時間などの資料を継続集積した。 2.正常乳児と口蓋裂乳児の乳首圧迫圧を比較検討した結果から、口蓋裂乳児では圧迫圧は著しく弱いことが明らかとなった。 この結果をもとにして、通常の乳首より柔らかい口蓋裂乳児用乳首を考案した。その臨床的効果の検討の結果は創案的に有用であることが判明した。 3.上記研究資料に基づいた検討結果は、遂次学会において報告した。 4.正常乳児より得られた資料の統計的解析は現在施行中であるが、中間的な分析では極めて興味ある結果を得ている。しかしながら、正常乳児においても各被検児において種々の哺乳様相を呈することもあり、周産期の諸条件にもとづいた正常乳児の哺乳パターンの分類が必要となってきている。このためには、正常乳児の被検資料の継続的集積が重要であり、この点について今後さらに検討する計画となっている。
|