研究課題/領域番号 |
60480434
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
作田 正義 阪大, 歯学部, 教授 (00028755)
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研究分担者 |
中沢 光博 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70217701)
滝田 正亮 大阪大学, 歯学部, 助手 (30188122)
米田 俊之 大阪大学, 歯学部, 助手 (80142313)
菅原 利夫 大阪大学, 歯学部, 講師 (10116048)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 腫瘍免疫 / 凍結療法 / NK活性 / CTL |
研究概要 |
実験目的は担癌動物におけるcytotoxic T細胞(CTL)活性とNK活性の発現の経時的変動およびCTLとNKの活性の関連性を検討することにより、NK細胞の意義を解明することである。さらに、悪性腫瘍の凍結療法に際してのこれら両細胞の消長の機序と、免疫療法の立場からみた凍結療法の有用性についても検討した。 〔結果〕担癌マウスにおけるNK活性の誘導は続いて起るCTLの誘導と密接に関連しており、またこれらNK:CTL活性の発現には細胞膜表面のシアル酸が重要な因子として作働していることを示唆する結果をえた。 凍結破壊した腫瘍細胞をマウスに接種することにより、NK活性の増強が認められたが、CTLは誘導できなかった。一方、マイトマイシンC(MMC)処理した腫瘍細胞の接種ではNK活性は低いが、CTLの誘導を認めた。凍結腫瘍細胞接種群(Cryo群)のNK活性増強はインターフェロン誘導によると考えられた。MMC処理群とCryo群ともにプロスタグランディンEを産生し、NK活性・CTL活性の両方の抑制に関与していることが示唆された。またCryo群でのCTL誘導の抑制には凍結腫瘍細胞の接種によるサプレッサーT細胞の出現があること、さらにMMC処理群に比較してインターロイキン-2の産生能が低く、かつ有効に利用できないことも関係があることが判明した。 以上の結果より、凍結療法はサプレッサーT細胞の誘導およびインターロイキン-2を介する経路の障害などによりCTLを誘導し難いことなどから、腫瘍特異的免疫療法としての評価は低いが、高いNK活性の誘導がえられること、サプレッサーT細胞やプロスタグランディンEの抑制を計ることにより、癌免疫療法としての効果を発揮する可能性が示唆された。
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