研究課題/領域番号 |
60480448
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児・社会系歯学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
作田 守 阪大, 歯学部, 教授 (60028751)
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研究分担者 |
高田 健治 大阪大学, 歯学部, 講師 (50127247)
高野 照子 大阪大学, 歯学部, 助手 (00127250)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 口蓋裂 / 顎裂 / 骨修復 / 骨誘導 / 脱灰骨 / 自家骨移植 / 他家骨移植 |
研究概要 |
本研究の目的は、口蓋裂隙部の骨修復に関し、従来より行われている自家骨移植によらないで、骨誘導因子による臨床的に応用可能な骨形成法を確立することである。昭和60年度にたてた研究計画に基き以下の研究成果を得た。1実験的口蓋裂の作成:ラットの口蓋粘膜を剥離し、口腔内より鼻腔に達する径2mmの骨欠損を切歯骨の中央部にトレファンバーで作り、ラットに実験的口蓋裂モデルを作ることに成功した。軟X線撮影所見,組織所見では術後35日目に至っても骨欠損部に新生骨による自然修復はみられなかった。 2実験的口蓋裂における脱灰骨による骨誘導:Reddらの方法により調製した。ラット大腿骨の脱灰骨を切歯骨中央部の骨欠損部に移植し、経時的に軟X線撮影および組織切片を作成した。移植後21日目ないし35日目には脱灰骨移植群に新生骨の形成が認められた。 3実験的口蓋裂における電気刺激を併用した骨誘導実験:ラットの切歯骨に作成した円形骨欠損部に同種脱灰骨を移植し、ラットを1日に12時間、100Hzで2ガウスの電磁場が15Hz間隔で発生する装置中で飼育し、経時的に軟X線写真及び組織切片を作成した。さらに同部への【^(45)Ca】の取り込みおよびアルカリフォスファターゼ活性を測定した。その結果、脱灰骨移植後電磁場中で飼育した群では、脱灰骨移植のみの群に比べて、【^(45)Ca】の取り込みおよびアルカリフォスファターゼ活性が著しく高く、さらに移植後35日目には骨欠損部が大量の新生骨で修復されていた。 以上の結果、1ラット切歯骨の円形骨欠損は、顎裂の骨修復の実験を進める上で有用な実験モデル系になると考えられた。 2脱灰骨による骨誘導は電磁場刺激により促進されることが明らかとなった。したがって、口蓋裂の骨修復に関し、電磁場併用、同種骨移植による方法は、臨床応用が可能であると考えられた。
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