研究課題/領域番号 |
60480450
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児・社会系歯学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
井口 修一郎 長崎大, 歯学部, 助手 (70145267)
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研究分担者 |
古賀 義之 長崎大学, 歯学部, 助手 (50175329)
鈴木 弘之 長崎大学, 歯学部, 助教授 (70018753)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 容量結合法 / リモデリング / 電気刺激 / 電場 |
研究概要 |
高度な骨格性反対咬合を有する患者の下顎は、一般的にきゃしゃで下顎枝の前後径が小さく外科手術を行う際、骨の離断面の接触面積の点より制約を受ける場合が多い。また下顎骨の左右非対称を外科手術で治療する場合は、左右で離断面が緊密に接しておらず骨形成が遅れ、顎間固定期間が長くなり、術後の後戻りの可能性も多いと考えられる。以上の点より骨形成を促進する方法の開発が必要と思われる。 今まで我々は、電気刺激が骨のリモデリングに与える影響について研究してきた。今回は一歩進めて非侵襲的電気刺激法である容量結合法を応用して骨の離断面に電場をかけ、骨の形成を促進し、顎間固定の期間の短縮及び術後の後戻りを最小限に抑えるための基礎的実験を行った。すなわち電場の変化及び骨の変形によって引きおこされる骨表面の電位変化を調べることにより、骨の電気的性質を明らかにした。実験には取り扱いが容易な兎の脛骨を使用した。その結果、 (1)電位変化の大きさは、骨内に発生する応用分布と関連があった。 (2)荷重負荷時、除荷時に対応して一過性の電位変化を示し、荷重状態が一定になると、数秒でもとに戻った。 (3)発生する電位の大きさは、荷重の大きさ及びその増加速度に影響された。 (4)骨表面を液体窒素で凍結し、電位変化を測定した結果、凍結直後電位のピーク値は減少したが、常温にしばらく放置するともとに戻る傾向を示した。 (5)骨を循環する血流は、荷重時の電位発生に何ら影響しなかった。 荷重及び電場変化によって骨表面及び骨内に生じる電位変化が骨のリモデリングに大きな影響を与える直接的局所要因の一つであることが、示唆された。
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