研究課題/領域番号 |
60480455
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
黒須 一夫 愛知学院大, 歯学部, 教授 (50064796)
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研究分担者 |
横井 勝美 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (30183693)
山内 哲哉 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (90183673)
河田 典雄 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (60125101)
福田 理 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (60090148)
土屋 友幸 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (20090144)
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キーワード | 診療不適応児 / 行動療法 / 不快情動 / 浸潤麻酔 / 歯科用体感音響装置 |
研究概要 |
本年度の研究実績の概要は、以下のようである。 1.浸潤麻酔時の情動変化 小児の歯科診療において最も多くの不快情動を表出すると考えられる注射麻酔時の情動変化を、4歳〜9歳の小児20名を対象として検策した。情動変化の指標としては、ポリグラフ記録した皮膚電気反射(GSR)、耳朶容積脈波(PL)、呼吸曲線(RC)の3指標を用いた。その結果、(1)刺入部位別の比較では、上顎は乳頭部より移行部が、下顎は移行部より乳頭部が大きな変化を示した。(2)性差は認められなかったが、年齢により比較では、園児の方が児童より大きな変化を示す指標が多くなっていた。(3)表面麻酔剤塗布の有無により顕著な差は認められなかった。 2.歯科用体感音響装置の応用効果 小児の歯科診療時の不快情動を抑制するための手段として、音楽と振動を用いたデンタルユニット用体感音響装置をパイオニア社とともに試作し、質問調査や、VTRによる外部行動観察、ポリグラフによる内部行動記録を行い。本装置を応用した場合と応用しない場合について比較した。その結果、(1)本装置による治療が楽しかった、次も装置を使って治療してほしいなど、小児が治療を積極的に受け入れる傾向が認められた。(2)診療の障害となる外部行動変化が、本装置を用いることにより減少していた。(3)内部行動変化の各指標についても、本装置を用いた場合の方が小ない変化を示した。 3.窩洞形成への浸潤麻酔応用の可否 窩洞形成時に浸潤麻酔を行った場合と行なわなかった場合の外部行動変化と内部行動変化を比較した。その結果、注意深く浸潤麻酔を行いさえすれば、窩洞形成時の外部行動変化を抑制できることが判明した。なお内部行動変化については、現在分析中である。
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