研究分担者 |
上田 智之 鹿児島大学, 医学部, 助手 (80160175)
水上 惟文 鹿児島大学, 医療短大, 助教授 (80041325)
野添 新一 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (10117533)
昇 卓夫 鹿児島大学, 医学部附属病院, 講師 (40094164)
松下 敏夫 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10022790)
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研究概要 |
本研究は、実験動物関係者に発生するアレルギーについて研究し、その予防対策を確立するもので、本年度は以下のような研究を実施した。 1.松下班員らは、わが国の137機関の動物施設の5,580名について解析した。実験動物に関連してアレルギー症状を示す人が23.2%で、発症は動物との直接接触が多く、動物室に入っただけで発症する人も20%いた。鼻症状は、ウサギ,モルモットで、呼吸器症状はウサギで、皮膚症状はラットで多かった。動物と接触するようになって2年以内に発症する人は60%で、またアトピー者率とも高い相関を示し、かつアレルギーの既往歴とも密接な関係があった。マスク等防護具は40%の人が効果ありと回答していた。 2.野添班員らは、動物施設の利用者84名のアンケート調査結果と血液免疫学的検査所見との関係について検索した。有症者の末梢血好酸球と他の群間との有意差はなかった。IgE(RIST)は有症者(14名)とアレルギー既往歴のある人(6名)で高い傾向を示した。score2以上は有症者でも喘鳴のある人吸び眼,鼻,呼吸器及び皮膚の合併症状を併せもつ人に多かった。 3.昇班員らは、モルモット由来の蛋白質を抽出し、アレルギー患者群は尿で100%,唾液とフケで83%,血清で67%の陽性率であることを明らかにした。今後、唾液,血清中の抗原蛋白の同定、他の実験動物の抗原検索を行う予定である。 4.水上,上田班員らは、各種実験動物室の粉塵重量,粉塵個数,空中細菌等について検索し、捕集した空気中には1【m^3】あたり100〜1400ngの蛋白を含有することを明らかにした。さらに、山内らは、動物室の作業空間に粉塵,空中細菌,アンモニア等が流入しないような空調システムを開発した。 今後、空調の改善と作業時における粉塵の吸入防止,特異体質者の早期検出法について検討する。
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