研究分担者 |
辻 守史 埼玉医科大学, 医学部, 助手
鈴木 則之 埼玉医科大学, 医学部, 助手
莊 茂 埼玉医科大学, 医学部, 助手
竹内 仁 埼玉医科大学, 医学部, 助手
別所 正美 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (40165519)
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研究概要 |
1.実験動物による研究;(1),前年度にひきつづき放射線誘発骨髄性白血病株細胞を一定数宛、X線全身照射、抗Asialo GMI抗体継続投与などの前処置を行ったRFM/MsNrs系マウスに移植し生存率、脾重量変化、白血病細胞増殖度、NK細胞活性、リンパ球刺戟試験などを同時に比較検討した。その結果、白血病細胞の増殖およびそれに基因する死に最も影響を与えるのはNK細胞活性の低下であることが明らかとなった。(2),PGKアイソザイム、ヘラロ接合体を持つマウス250匹にX線全身照射を行い、12例の骨髄性白血病の発症をみた。アイソザイムアツセイの結果、全例が単一細胞起源であることが証明された。新しく開発した微量細胞アイソザイムアツセイ法により白血病発症マウスの赤血球、培養法によるCFU-GM由来のコロニー細胞の検索を行い、白血病個体では正常細胞クローンと白血病細胞クローンが共存していることを実証し得た。(3),従来、動物個体に移植保持していた骨髄性白血病株細胞を液体培養系で継代維持することに成功し、その株細胞を用いてrecombinant-GM-CSFなどの分化誘導因子の効果を検討する実験を開始した。 2.臨床材料による研究;白血病、再生不良性貧血患者骨髄を用い造血幹細胞(CFU-C,CFU-E,BFU-E)と間質細胞幹細胞(CFU-F)の同時アツセイを行いデーターを集積中である。その結果、血液学的正常者では間質細胞幹細胞量を赤血球系幹細胞量の間に密接な相関関係が成立すること、放射性物質であるトロトラスト注射を受けた患者の骨髄間質細胞幹細胞は著しい減少を示すが、上記の赤血球系幹細胞との相関関係は保持されること、再生不良性貧血患者の一部には、間質細胞幹細胞の著しい減少を示すものがあり、このような症例ではステロイドパルス療法が有効であり、良解に入ると共に間質細胞幹細胞量も回復することなどが今までに明らかにされた。以上の各成果は第21回国際血液学会などで発表した。
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