研究分担者 |
辻 守史 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (10197684)
鈴木 則之 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (10187750)
塩味 善作 埼玉医科大学, 医学部, 助手
竹内 仁 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70137826)
別所 正美 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (40165519)
SHIOMO Zansaku Research Fellow,Dept.of Medicine,SaitamaMedical School
|
研究概要 |
1.実験動物を用いる研究:(1)骨髄性白血病発症機序につき, RFM/MSNrs系マウスはX線3Gy全身照射により24.5%の頻度で発症する. 被曝による幹細胞の突然変異により成立した白血病細胞クローンの増大を規制する生体側要因を検討し, 体液性, 細胞性免疫能でなく, 生体のNK細胞活性であることを証明した. (2)上記の発症動物から, 白血病細胞を分離し, 維代培養をくりかえし, 白血病株細胞(M3B)の樹立に成功した. この株細胞に, 培養系でr-h-G-CSFを作用させ, 一部に分化誘導効果を証明し得た. (3)PGKアイソガイム接合体を持つマウスを照射し, 骨髄性白血病を発症させ, 白血病細胞アイソガイムアツセイを行って, その細胞起源を検し, 白血病が一ケの白血病代幹細胞に由来することを実証した. (4)RFH系マウスにγ線緩照射(8.3〜37.3ラド/日を120日間行ない, 持続する多分化能幹細胞(CFU-S), 赤血球系幹細胞(BFU-E, CFU-E), 骨髄間質細胞幹細胞(CFU-F)の減少を実証し, ヒトの再生不良性貧血に近い病態が成立している事を明らかにした. 2.臨床材料を用いる研究に(1)未治療の9例の急性骨髄性白血病患者の骨髄細胞にγ-η-G-CSFを加えて培養し, その白血病細胞分化誘導能を検討した. 症例により多少の差異はあるが, 液体培養, 半団体培養共に分化誘導能は認められなかった. (2)赤血球系幹細胞(BFU-E, CFU-E), 骨髄間細胞幹細胞(CFU-E)の同時アツセイを正常者, トロトラスト注入患者, 再生不良性貧血患者について行い, 赤血球系幹細胞量と骨髄間質細胞幹細胞量が密接な相関関係にあることを実証した. さらに, 再生不良性貧血症例で, ステロイドパルス療法前後の変動について検討し, 治療が有効な症例では, BFU-E, CFU-Eの増加と共に, CFU-Eの増加もおこる事を見出し, 幹細胞増殖と間質細胞の密接な関連を示した.
|