研究課題
昭和六十年度は、毎月一度の研究会を中心に研究発表、意見交換を積み重ねてきたが、今年度は、これらの成果を踏まえた上で春、秋二度、内外の研究者を招き、より活発に研究を進めることができた。春に招へいしたロバート・ベラー氏の講演会には、学外からも多くの専問家、学生が参加し、積極的かつ実りある議論が展開された。また秋に持たれた一泊の研究集会は、柳東植氏をはじめ専問家を中心とした撤底した共同討議の場となった。ここでは四本の研究報告が行なわれた。今年度の報告者、並びに報告テーマは以下の通りである。1.小出詞子(研究分担者)「アジアにおける日本語教育の変遷とその影響」2.ロバート・ベラー(カリフォルニア大学教授)「アジア的伝統とその現代への適応」3.岡田典夫(茨城キリスト教大学助教授)「明治末期の教化思想における観善の論理ー伝統思想のアンビヴァレンスに関連してー」4.大森元吉(研究分担者)「スリランカの伝統宗教と生活慣習ー小集仏教とヒンドゥ教の折衷形熊ー」5.柳東植(延世大学教授)「民族的霊性の非二元論的講造と朝鮮の宗教史について」6.小沢浩(富山医科大学助教授)「生神思想の歴史的位相ー日本の近代化と民家宗教についての一考察ー」7.金子幸子(研究分担者)「農村婦人の伝統的意識の変革の課題ー丸岡秀子の『日本農村問題』へのアプローチを通してー」なお、研究補助は今年度をもって終りとなるが、共同研究自体は六二年度も引き続き行う予定である。」