アスキー社のデータベース用ソフト、Informix3、2を用いて、パーリ文献を入力する方法を検討した。まず、パーリ語のローマ字で表わせない語の表記については外字作成を行うこととしたが、半角文字の外字作成機能がないため、二文字ずつ組合せて作成することとした。しかるに、これは、多くの組合せが考えられ、そのために多くの時間を要した。 Inputは、単語ごとのものでなく、頁・行単位のものとし、その中の単語の抽出は、ワイルドインデックスの機能によることにした。しかるに、この方法によると、単語の己抽出・未抽出のチェックが不可能なため、辞書作成などに用いるには不十分である。この点についての工夫がさらに必要である。また、行単位のInputであるため、二行以上にわたる文章について、文章位の検索も可能にする必要がある。幸い、Informixは、入力方法について、ある程度自由な設定ができるので、その点、さらに研究の余地がある。 本研究は、具体的に文献を入力し、処理することよりも、その処理方法について考察することが主要なテーマであるので、当初計画では、第三年次には、具体的なデータ入力を計画したが、もう少し、その前段階の入力方法の研究に時間を割きたい。そして、データの現状のままの保存(書籍と同じ、頁・行のままprint outできるよう保存すること)とデータのソートや検索による単語の用法などの研究にも利用できること(辞書作成のためのInput)とを兼ね合せたものにすること、という両面からの利点をさぐっているために、従来の方法で解決できない点が多々でてきている。この一年でその解決を目指したい。
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