研究課題/領域番号 |
60510038
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
阿部 純一 北海道大学, 文学部, 講師 (40091409)
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研究分担者 |
往住 彰文 聖心女子大学, 文学部, 助教授 (50125332)
桃内 佳雄 北海道大学, 工学部, 助教授 (90002237)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 談話理解 / 会話 / 物語理解 / 推論 / 意図 / 認知過程 |
研究概要 |
本研究は、人間の談話理解(すなわち会話や文章の理解)のメカニズムを言語学的知見を基礎にしながら実験心理学的および人工知能学的な手法によって探究しようとするものであった。2年度にわたる本研究の成果は以下のとおりである。 1.談話理解における因果的推論過程の分析。いくつかの物語を刺激材料とし、被験者が言語表現中に含意されている命題内容をどのように関係づけて理解しているのかを質問応答法を用いて探った。すなわち、談話中のそれぞれの出来事や状態に対して「なぜその出来事(あるいは状態)が起ったと思いますか」と問い、その答えから読み手の談話理解のあり様を明らかにすることを試みた。さらには、同じ談話材料を何段階かのレベルで要約するように被験者に求め、談話中の情報が心中でどの様に階層的に構造化されているのかを探った。 2.談話の意味表象のモデル化。上記の推論および要約の実験結果から、談話の意味内容を人間がどのように心中に表象しているのか、その表象のモデル化を行なった。そのモデルを参照しながら、実際の要約データとのつき合せを行ない、読み手にとって重要な情報とは談話構造中でどのような位置を占める命題であるのかを考察した。
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