研究概要 |
本研究の目的は、新産業社会ないしは高度技術社会において中核的な役割を担う技術者の養成および工業教育システムに関する諸問題をマクロ的に把握することにあった。この種の問題の多くは「あいまい」事象のものであり、何がどのように問題であるのか、何を解決すればよいのかが不明確であり、政策課題としての認知も容易ではない。そこで、本研究ではシステム工学の構造化モデル技法の一つであるISM(Interpretitive Structual Modeling)法を使って、課題に関する問題構造のモデル化を試みたものである。本研究で調査研究した主なものは次の通りである。 (1)「あいまい」事象での意恩決定のあり方とシステム工学の構造化技法との関連,および政策形成過程について (2)新産業社会における産業構造・技術構造の変革の現状とプロセスについて (3)各レベルの技術科学教育の現状と具体的な問題点についての調査およびそれらの問題点の構造モデル化を行った。 以上詳しい記述は報告書にある。また、(2)の調査において、自動車工場の直接調査を行い、ロボット等の導入による生産自動化等による社会的影響,特に労働雇用と教育訓練の関係を研究し、国際自動制御連盟(IFAC)の国際シンポジウムにおいて発表した。また、(3)に構造モデルにおいて、個人の主観を説得性のあるモデルにするため、数回の試行を行い、ある程度の妥当な構造が得られたが、まだ改善しなければならない問題が多々あるので今後の課題となった。
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