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1986 年度 実績報告書

ペスタロッチの「読書ノート」の新発掘資料(1982)の整理とその伝記的歴史的解漫

研究課題

研究課題/領域番号 60510137
研究機関鹿児島大学

研究代表者

宮崎 俊明  鹿大, 教育学部, 教授 (90071274)

キーワードペスタロッチの「読書ノート」 / 18世紀ジャーナリズム / 読書サークル / 人口動態 / 教育社会史 / 人類学 / スイス・ドイツ教育史 / 啓蒙主義批判
研究概要

本年度は、ヴォルテールから抜書き手稿の転写をおえ、これで全体の整理は終了した。A4タイプでドイツ語110枚,仏語37枚,ラテン語12枚になった。
この基礎作業をふまえつつペスタロッチの思想形成や実践方向の契機を探る過程で、当時の読書会やフリーメソン系運動の動向を調査したが、彼の執筆計画とその主題が内発的かつ無媒介に生じたのではなく、これらの組織体が規定する読書傾向の反映がこの時期の彼自身の心理的な問題の投射も確認しえた。これは「ノート」に登場する26篇のタイトルのうち「ドイツ人の書斎」他4種の雑誌全体にわたる調査でも全639篇のうち39篇を「ノート」に記載し、その内容分野での歴史・伝記,哲学・倫理・心理,社会・政治でそれぞれ12,9,7篇と多かったが、これは彼の執筆テーマとの重なりを裏書きしていた。また、「エフュメリデン」誌他2種の雑誌を加えた8種につき、時代のジャーナリズムや知的動向を調査したが、彼の情報収集とそれへの対応のみならず、時代の社会史的場面の多くの事例を人工動態、女性と子どもの問題につき抽出できた。ことに、「ノート」の記述には、文化の基礎的日常的な次元を構成する言語や性,結婚や家族の関係について目立つものが多かったが、これは上の定期刊行動に登場しはじめた時代の新傾向であり、これに従来の倫理的、政治的な把握とは異なる、いわば人類学的ペスタロッチの像を 出できた。これこそが彼を教育の理論-実践へと進めた基礎的な次元だったのである。
なお、この研究成果は、日本語とドイツ語で発表するため脱稿。
62年2月末と3月中旬のスイスおよび西独のシンポジウムと二つの西独の大学で発表する。これにより深化を期しているし、一方では、この資料の発表をドイツと日本で出版を計画している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 人文・社会科学篇,宮崎俊明: 鹿児島大学教育学部紀要. 37. 273-294 (1986)

  • [文献書誌] Toshiaki MIYAZAKI: Bulletin of the Faculty of Education,Kagoshima University. 37. 295-319 (1986)

  • [文献書誌] 宮崎俊明: 教育学研究(日本教育学会). 53-3. 43-55 (1986)

  • [文献書誌] 教育科学篇,宮崎俊明: 鹿児島大学教育学部研究紀要. 38. (1987)

  • [文献書誌] Toshiaki MIYAZAKI: Bulletin of the Faculty of Education,Kagoshima Uuiversity. 39. (1987)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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