【I】 基礎的データの収集・分類 ソ連邦シベリア地区・中国地区・モンゴル地区・東南アジア地区・インド地区・日本地区の各地区毎の細石刃石器群出土遺跡について、遺跡カードを作製した。とくに、シベリア地区・中国地区については、すべてとは言えないまでも、収集し得るかぎりの情報を集めることができた。すでに中国地区については、細石刃石器群に関する予備的な原稿を書きあげてある。 【II】 細石刃の使用痕研究 黒耀石製石器にのこされた使用痕についつの基礎的な実験を終了した。その結果、石器上に残された微細痕には、数多くの形態が認められ、一方向に集中して走る線状痕(striation)が存在する部分を、道具の刃部として区別することが可能であるとした。ここに、黒燿石製細石刃の機能を明らかにする手掛りを明確にすることができた。 【III】 古生態学的資料の収集 原新世終末から完新世初頭にかけての自然環境・動植物に関する研究データの収集も、ほぼ終了した。
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