1.「万葉集」本文の入力 昭和60年度に引き続き、「万葉集」の和歌を巻の順に、『国歌大観』番号を付し、句に区切り、語句分類の記号を入れてコンピュータに入力する作業を行い、昭和62年2月までに、全歌(4516首)の入力を完了した。(NEC・PC980/VF2に「松」のFDを用いた) (本文入力の例) kあかねさす/aむらさきの/cゆき/aしめの/cゆき/aのもり/eは/cみfぢeや/bきみeが/aそで/cふる 2.「万葉集」本文の単語登録とその整理 研究分担者の指導の下に、アルバイターが、入力文章処理用のソフトウエア「万葉集単語検索システム」を開発。それにより、a〜oの語句分類の記号に従って、入力した本文のすべての単語(句を含む)を登録し、これを検索出来るようにした。ただし、この作業は、入力した本文の再点検・ベーシックFDへの読み込みに時間を要するので、現在進行中である。 3.長歌の分析 以上の作業と並行して、柿本朝臣人麻呂・山部宿祢赤人・山上臣憶良の長歌44首を分析して、「音節数」「語句類別による文章構成」「長歌末句の構成」「枕詞」「接続語句」等の面からみた三者の相違点を明らかにした。その結果は、「研究成果報告書」としてまとめた。 4.その他 「万葉集」の入力と並行して、「仮名草子」と称されれる一群の作品の内、14を選び、同様の方式によって入力し、分析した。その結果は、論文「接続語句から見た仮名草子の文章」(後掲)としてまとめた。
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