研究概要 |
本年度の研究計画とその実績 1.本年度の研究において、当初、(1)N・D・コンドラチェフ「経済生活における長期変動」(1926年.独文)およびその後の長期波動論をめぐる研究史-J.シュンペーター,C.フリーマン,E.マンデル等-を整理すること、(2)コンドラチェフ波動を適用することによって綜合的な社会経済史的分析を試みた先駆的な諸業績-H.ローゼンベルクやW.W.ロストウ等-を整理する、の2点が目指された。 (1)については、以下の研究文献を通読・整理することができた。 シュムペーター『資本主義・社会主義・民主主義』(原著1950年.邦訳、東洋経済新報社) Christian Seidl ed,Lectures on Schumpeterian Economics.Schumpeter CentenaryMemorial Lectures Graz,1983,1984 Ernest Mandel,Long Waves of capitalist Development,The Marxist interpretation,1980 (2)については、以下の研究文献を通読.整理することができた。 Hans Rosenberg,GroBe Depression und Bismarekzeit,Wirtschaftsablauf,Gesellschaft and Politikin Mitteleuropa,1975 W.W.ロストウ『大転換の時代』(原著1978年、ダイヤモンド社) 2.次年度の研究計画について、本研究計画発足時点では、「大不況期」におけるイギリスの社会経済史的状況を吟味することとしていたが、本年度の研究を通し、ひき続きコンドラチェフ波動をめぐる理論的問題を掘り下げること、とりわけ、J.A.シュンペーターの学説内容を検討することが欠かせない、との認識に達した。この点、若干の計画変更が行なわれるであろう。
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