研究課題/領域番号 |
60540110
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
水本 久夫 広島大, 総合科学部, 教授 (50032917)
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研究分担者 |
佐久間 元敬 広島大学, 総合科学部, 教授 (10035298)
田代 嘉宏 広島大学, 総合科学部, 教授 (90032995)
江口 正晃 広島大学, 総合科学部, 教授 (30037220)
板野 暢之 広島大学, 総合科学部, 教授 (80034544)
水田 義弘 広島大学, 総合科学部, 助教授 (00093815)
ITANO Masaaki Hiroshima Univ., Fac. Int. Arts & Sci., Prof. (30037220)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 多様体 / リーマン面 / 微分形式 / 有限要素法 / 差分近似法 / periodicity moduli / modulus |
研究概要 |
交付申請書に記載した研究実施計画のうち. (1)「リーマン面上の調和微分形式を有限要素法によって近似する問題 については、リーマン面の特異点の近傍での処理が、最大の問題であるが、それは、昭和60年度からの研究の結果、大きく進展し、当該年度で、一応、完成させることができた。その方法は、リーマン面の抽象的な定義に合致しており、リーマン面の場合に限らず、平面領域の場合に対しても、数値計算の面で、新しい手法と高い有用性を提供すると思われる。その方法の特色は、リーマン面の各特異点の近傍のパラメタ円板ごとに、普通の有限要素近似を行って、高精度の近似を得ようというものである。リーマン面上の調和微分ωとこの方法で求めた有限要素近似ωhに対して、誤差||ωh-ω||(||||はデイリクレノルム)の評価,||ω||に対する||ωh||の誤差評価などを行った。応用として、具体的ないくつかのリーマン面のperiodicity moduliの計算を行い、可成り良い計算結果が得られた。 (2)「複素平面上の四辺形(quadrilateral)のmodulusを有限要素法によって計算する問題」については、良い誤差評価を得るためには、特異点の近傍での処理が問題であるが、それらの点の近傍で、(1)において、リーマン面上で行ったのと同様な三角形分割法と有限要素近似法を採用して、誤差の少ない近似解を得る方法が確立された。応用として、D.Gaier(Numer.Math,19(1972),179-194)が、差分近似法によって、四辺形のmodulusの上、下からの評価を得た数値計算例について、本研究で得られた方法では非常に精度の良い計算結果が得られた。 (1),(2)の研究成果は、昭和61年度日本数学会秋季総合分科会(昭和61年9月27日)で、口頭発表された。
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